私たちが生きる現代社会において、情報は必要不可欠なものだと思います。そして、その情報発信は様々な手段で行われていますが、文章表現によって情報発信をする人々をどのように呼ぶかご存知ですか。
呼び方は複数あると思いますが、その中でも「記者」と「ライター」にはどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、「記者」と「ライター」の違いについて解説します。
結論:仕事内容の違い
「ライター」とは、文章を書く仕事です。
「記者」の仕事内容について
記者とは、主に現場に赴いて取材を行い、インターネットや書籍で調査して得た情報をもとに記事を書く人を指します。この記事を書く上で重要になるのが、情報の正確さ、文章のわかりやすさ、執筆のスピードの三点です。
記事は事実をもとに書かれるので、調査した情報の正確性が求められます。このため、現場での取材能力が必要不可欠です。
次に、記事の読者層は一般市民であることが多いので、幅広い世代に伝わるわかりやすい文章で書くことが求められます。そのため、修飾語を用いて情緒的に書くよりは、簡潔で短い文章でまとめあげなければいけません。
最後に、記事は事実をいち早く読者に知らせるという役割を担うので、そのためになるべく早く記事を執筆する能力が求められます。さらに、文字数が定められていることが多いため、端的にまとめ上げる能力も必要です。
記者には、様々な媒体で活躍をする人がいます。ここでは、「新聞記者」「放送記者」「雑誌記者」について簡単に説明します。
「新聞記者」とは
新聞記者とは、紙面やデジタル版に載る新聞記事の執筆や編集を行う人を指します。政治や経済、スポーツなど私たちの生活に密接な関わりを持つ、社会のあらゆる分野について取材を行います。
基本的に、元となる情報源がないため、自ら積極的に取材を行うことで情報を入手します。また、取材を行うだけでなく、紙面のレイアウトを考えたり、編集作業を行ったり、校閲や校正を中心に行う記者もいます。
ちなみに、校正は文字の誤りを正す作業であるのに対して、校閲は文章の意味や内容を踏まえた上での誤りを正す作業を指します。
「放送記者」とは
放送記者とは、主に各テレビ局の報道部門に所属して、各地で起きた事件について取材を行い、そこで見聞きした情報を視聴者に伝える仕事を行う人を指します。さらに具体的に説明すると取材を行う取材記者と情報をもとに原稿を編集する編集記者の二つにわけられます。
取材記者は国会や警察などから取材を行い、そこで得た情報をもとにニュースの原稿を作成します。編集記者は、取材記者から上がってきた原稿に修正を加え、その原稿がアナウンサーの手に渡ります。
「雑誌記者」とは
雑誌記者とは、出版社に所属し、雑誌に掲載する記事の執筆を行う人を指します。新聞記者との大きな違いは、担当する雑誌によって扱う分野が異なるということです。雑誌は発行日が定められているので、記事の締め切りがとても厳しいです。
雑誌の記事は旬の情報が求められているので、雑誌記者は流行に敏感であることが望ましいです。そして、色んな人に手に取ってもらうためにはより詳しい情報を載せる必要があります。そのため、すぐ現場へ取材に行くフットワークの軽さと踏み込んだ調査を行う時の好奇心旺盛さが求められます。
「ライター」の仕事内容について
ライターとは、雑誌やウェブサイトなどに掲載される文章やコラムなど幅広く、文章を書く仕事をする人を指します。伝えたい内容について調査をしたり、取材を行ったりするという点では記者と共通しています。
しかし、書かれる文章は必ずしも事実であるわけではなく、フィクションのものを書く場合もあります。また、記者に求められている記事よりも内容の自由度が高く、ライター自身の個性が求められることもあります。
必ずしも事実をもとに文章を書くわけではないので、取材を行わずに執筆することもあります。例えば、自身の体験談をコラムとして書いたり、別のインタビュアーが取材した音源をもとに記事を作成したりする場合などです。
ライターにも様々な分野で活躍する人がいます。ここでは、「コピーライター」「グルメライター」「ルポライター」について簡単に説明します。
「コピーライター」とは
コピーライターとは、広告業界で活躍するライターです。商品の宣伝や企業のブランディングイメージを高めるために、キャッチコピーのようなインパクトのある短い文章で魅力を伝えます。
コピーライターが一番求められる能力は広告戦略の企画立案能力です。依頼主が「売りたい」と考えているものを、どのように売り出したら良いのかを考えなくてはいけません。具体的にはマーケティングを行い、販促企画などを作成します。
「グルメライター」とは
グルメライターとは、飲食店に赴き、オーナーやシェフへの取材を通してメニューや店舗の紹介記事を書くライターです。いかに「美味しさ」を言葉巧みに表現するかの能力が求められます。
「ルポライター」とは
ルポライターとは、社会で起きている問題や事件について扱うライターです。ジャーナリストとほとんど同じ意味で使われます。多くのルポライターはフリーランスで仕事をしていますが、たまに新聞社などから仕事の依頼が来ることもあります。
まとめ
以上、この記事では「記者」と「ライター」について解説しました。
- 記者:事実をもとにした記事作成を行う人
- ライター:文章を書くことを職業にする人
文章に携わる職業という点で共通する「記者」と「ライター」の違いを理解することができたでしょうか。いきなりですが、ここで問題です。この記事を執筆している私は果たして「記者」か「ライター」のどちらか分かりますか。ぜひ当ててみてください。