医療を学ぶ学部としては、「医学部」や「歯学部」があります。どちらも、私たちに欠かせない存在ですよね。
医者になるための「医学部」や、歯科医になるための「歯学部」ですが、両者の具体的な違いを知らない人も多いと思います。
この記事では、「医学部」と「歯学部」の違いについてご紹介します。
結論:違いは、在学中に専門分野に特化するかどうか
「歯学部」は、歯に関わる症状の予防や治療の知識を身につけるための学部です。
つまり、「医学部」は在籍中に専門分野に分かれることがないのに対し、「歯学部」は入学当初から歯について専門的に学びます。
「医学部」をもっと詳しく
「医学部」は、身体全体の構造を学び、症状に対しての予防や治療の知識を身につけるための学部です。
「医学部」では、全身をくまなく勉強します。医学部在籍中に専門分野に分かれることがないのが、「歯学部」との違いです。
以下は、昭和大学病院の診療科の一覧です。卒業後、このような専門分野に分かれます。
- 呼吸器・アレルギー内科
 - リウマチ・膠原(こうげん)病内科
 - 腎臓(じんぞう)内科
 - 消化器内科
 - 血液内科
 - 循環(じゅんかん)器内科
 - 腫瘍(しゅよう)内科
 - 総合診療科
 - 感染症内科
 - 緩和(かんわ)医療科
 - 呼吸器外科
 - 心臓血管外科
 - 小児心臓血管外科
 - 消化器・一般外科
 - 乳腺外科
 - 小児(にゅうせん)外科
 - 脳神経外科
 - 整形外科
 - リハビリテーション科
 - 形成外科
 - 産婦人科
 - 皮膚科
 - 小児科
 - 小児循環器内科
 - 耳鼻咽喉(いんこう)科
 - 泌尿器(ひにょう)科
 - 放射線科
 - 放射線治療科
 - 麻酔科
 - 臨床(りんしょう)病理診療科
 - 救急医学科
 - 東洋医学科
 
「医学部」で、いきなり専門分野に分かれるのではなく、全身をくまなく勉強しているからこそ、同時にいくつも不調が表れて治療を同時進行できない場合に、医者が優先順位をつけて治療をすることができるのです。
受験合格率は7%と言われています。「医学部」への進学は狭き門であるといえます。
「医学部」は、高度で幅広い知識を身につけるために、6年間のカリキュラムで構成されています。多くの人が、医師免許取得のために医学部へ進学します。
卒業後は、2年間研修医として働き、その後晴れて医者になることができます。
「歯学部」をもっと詳しく
「歯学部」は、歯に関わる症状に対しての予防や治療の知識を身につけるための学部です。
実は、「医学部」ほど細かくはありませんが、「歯学部」も全身について大まかに学びます。
「医学部」に比べて比較的偏差値が低いので、入りやすいとも言われていますが、カリキュラムが6年間であることなど、在籍中はとても多くの時間を勉強に割く(さく)ことになります。
「医学部」と似ているけれども入りやすいことから、安易な気持ちで入学して留年する人が多く、いくつかの「歯学部」で問題となっています。
「歯学部」は、歯科医師資格を目的として入学する人が多いです。卒業後は、大学病院などの大きい病院で働く人もいますが、開業する人も多いです。
まとめ
以上、この記事では、「医学部」と「歯学部」の違いについて解説しました。
- 医学部:身体の構造を学び、症状に対しての予防や治療の知識を身につけるための学部
 - 歯学部:歯に関わる症状に対しての予防や治療の知識を身につけるための学部
 
「歯学部」は、「医学部」の一部であるべきだと考える人もいるでしょう。しかし、この仕組みは、日本だけでなく海外も同じです。
医療関係に進みたい人は、「医学」なのか「歯学」なのか、早い段階で決める必要があります。

 








