「適時」と「随時」の違いとは?「常時」「随時」は?意味も解説

違いのギモン

「適時」と「随時」はどちらも良いタイミングのことを指す言葉として使われており、使い分けを意識しない方が多いかもしれません。しかし、両者の意味は異なるのです。

今回は「適時」と「随時」の違いについて解説します。

結論:ふさわしいタイミングが「適時」、気の向いた「随時」

「適時」とは、それをするのにふさわしい時のことを指します。

一方、「随時」とは、気の向いた時に、いつでも、という意味です。

「適時」をもっと詳しく


「適時」とは、それをするのにふさわしいとされる時を指します。英語では “timely” と言います。

後に解説する「随時」との違いは、好き勝手なタイミングなのではなく、客観的に考えて都合の良いタイミングであるということです。

例えば、「運動の合間に適時休憩を取る。」と言う場合は、勝手気ままに休むのではなく、体への負荷を気にかけつつ休むべきタイミングで休むことを指します。

「適時」の使い方の例

  1. 部屋の掃除を適時行うべきだ。
  2. 私は適時に家を出た。
  3. 彼は今日、適時に仕事を終えた。

「随時」をもっと詳しく


「随時」とは、気の向いた時に、いつでも、という意味を持つ言葉です。英語では “at any time” と言います。

「適時」が客観性をともなった言葉であるのに対して、「随時」はより自由度が高く、主観性の強い言葉であると言えます。心の赴(おもむ)くままに行動する時に「随時」を用います。

「随時」の使い方の例

  1. 随時ご連絡いたします。
  2. この町の図書館は随時出入りできる。
  3. 随時、入会受付中です。

「常時」と「随時」の違い

「随時」には、いつでも、と言う意味があるため、同じ意味を持つ「常時」と何が違うのか、迷ったことのある方もいらっしゃるかもしれません。両者の「いつでも」は、微妙にニュアンスが異なります。

「常時」は、片時も隙(すき)が無いことを表します。そのため、具体的な時間で置き換えると四六時中に当たります。一方、「随時」の場合は、ある程度制約のある期間が前提にあります。

例えば、「この町の図書館は随時出入りできる。」と言う場合は、片時たりとも出入り出来ない時間が無いわけではありません。この場合、朝何時から夕方の何時までという具合に一定の制約の下で「いつでも」という意味になります。

 

そもそも、「随時」という言葉は、「時」と「随(したが)う」という言葉から成り立っています。「随う」とは、他からの働きかけに逆らわず、受け入れることを指します。つまり、「随時」とは、その時の条件に従って行動することを指す言葉なのです。

その条件の強弱に応じて、自由度の高さが多少異なることになります。判断基準が自分の心のみになれば「気の向くままに」という意味になり、ある程度何らかの制約を受け入れた上で行動する場合は文字通り「時に随う」という意味になります。

まとめ

以上、この記事では、「適時」と「随時」の違いについて解説しました。

  • 適時:それをするのにふさわしい時
  • 随時:気の向いた時

「適時」と「随時」は何らかの良いタイミングを指すことに変わりはありませんが、客観的に良いタイミングなのか、それとも主観的に良いタイミングなのかという点で違いがあります。注意して使い分けてくださいね。