経済学部、経営学部、商学部は「経済活動に注目する視点」が異なります。
どれも似たような響きですが、実は違いがあるのです。
そこで今回は「経済学部」と「経営学部」「商学部」の違いを簡単にわかりやすく説明します。
「経済学部」と「経営学部」「商学部」の違い
- 経済学部
経済を通して社会について学ぶ - 経営学部
企業の活動について学ぶ - 商学部
商業やビジネスについて学ぶ
経済学部は、世界や国といった大きな視点などからお金の動きを通じて、社会全体の動きについて学びます。
経営学部は、企業の活動を中心に経済活動について学びます。
商学部は、商品の売買に関することや物の売り買いで生じる売り上げや利益について学びます。
それでは順番に詳しくみていきましょう。
「経済学部」の意味
経済学部は、世界や国といった視点などからお金の動きを通じて社会について学びます。
ヒト、モノ、カネなどといった限られた資源をどう使えば社会全体が豊かになれるのかと考えるのが経済学部の目的です。
また、経済学部では経済理論と呼ばれる経済の仕組みについて学びます。
この経済理論は大きくふたつに分けられます。
- マクロ経済
GDPや投資、消費などから国家レベルの大きな視点で経済の動きを考える - ミクロ経済
家計の消費活動、企業の生産活動を通じて経済の仕組みを考える
簡単に言えば、マクロが大きな視点でありミクロが小さな視点です。
また、そのほかにもデータ分析を行う計量経済学や経済問題を分析する応用経済学などがあります。
ちなみに、経済学部の一番の特徴としては、文系の学部ながら商学部や経営学部と比べて数学をよく使うことがあげられます。
微分積分など高校数学で使用する数式を使って、経済の分析をします。
経済学部の代表的な就職先
経済学部の学生が就職する代表的な就職先は以下のようなものがあります。
- 金融業界(メガバンク、証券など)
- 商社(大手商社など)
- メーカー(自動車や飲料、IT機器など)
経済学部で学んだ知識が役に立ちそうなスケールの大きな業界に就職する人が多いです。
経済学部に向いている人
経済学部に向いているのは以下のような人です。
- 数学が得意
- GDPや物価の指標に興味がある
- お金を通して社会を見てみたい人
1年生レベルの簡単な授業であっても、数学を使用するので抵抗がない人が望ましいです。
また、大前提としてお金や通貨に興味があって、GDPなどの指標に抵抗がない人が向いています。
「経営学部」の意味
経営学部とは、主に企業の経済活動について研究する学問です。
経済学部の視点とは異なって、企業の経営や組織などについて学びます。
さまざまな事例を通じて、社会に貢献したり利益を出している優れた企業とはどういったものなのかを考えることを目的としています。
具体的には、以下のようなことを学びます。
- 組織運営
- マーケティング
- 人材マネジメント
- 組織内での課題解決力
経営学部の代表的な就職先
経営学部の学生が就職する代表的な就職先は以下のようなものがあります。
- 金融業界(メガバンク、証券など)
- 保険業界(大手保険会社など)
- コンサルティング業界(大手コンサル、外資など)
経営学部では、企業活動に関連したマーケティングから法律まで身につけることができるので、この知識を生かした業界に進む人が多いです。
経営学部に向いている人
経営学部に向いているのは以下のような人です。
- ビジネスに興味がある
- 企業の仕組みについて知りたい
- 実戦で役立つ知識を学びたい
経営学部は企業に関連したことを学ぶため、ビジネスや実践的な知識を獲得したい人に向いています。
「商学部」の意味
商学部は商品を中心に世の中の流れについて学びます。
商品は企業から消費者が利用するまで、物流などさまざまなモノやヒトの介入があります。
それに伴い、会計や財務、マーケティングなどの作業が必要となります。
この企業から消費者までの結びつきについて詳しく学ぶのが商学部です。
具体的には、以下のようなものを学びます。
- 商学史
- 統計学
- 会計学
- マーケティング
また、学校によっては公認会計士や税理士などの資格を取る授業が開講されています。
商学部の代表的な就職先
経営学部の学生が就職する代表的な就職先は以下のようなものがあります。
- 金融業界(メガバンク、証券など)
- メーカー(大手メーカーなど)
- 公務員(行政関係)
商学部も大学で学んだことを生かせる仕事に就くでしょう。
また、商学部で学ぶ内容はお金や法律までカバーしているため、公務員に就職しやすいというメリットもあります。
商学部に向いている人
商学部に向いているのは以下のような人です。
- ビジネスに興味がある
- 実務に役立つ専門知識を身に付けたい
- 商売について知りたい
商業に関して専門的な知識を身に付けたいと考えている人が向いています。
また、経済学部と異なり数学が苦手な人も学びやすいです。
コンビニを例に違いを見ると…?
コンビニを例にあげると、経済学部、経営学部、商学部では以下のように視点が異なります。
- 経済学部
商品が欲しい消費者と商品を作る生産者の結びつきを見る - 経営学部
コンビニはどう店舗を展開してどう需要のある商品を売るか見る - 商学部
コンビニの商品をどう売ればよいか、どう消費者の心を動かすかを見る
それぞれ解説します。
経済学部の場合
経済学部は、消費者と生産者の関係を通して社会の動きを見ます。
たとえば、外国の工場で生産された製品が消費者の手元に届くまでの過程で、どういった人同士のつながりがあったかなどを考えます。
経営学部の場合
経営学部は、コンビニはどう店舗を展開してどう需要のある商品を売るか見ます。
たとえば、どの場所に店舗を出すのかや、どういった商品を売って顧客を獲得するのかなどです。
商学部の場合
商学部は、コンビニの商品をどう売ればよいか、どう消費者の心を動かすかを見ます。
たとえば、どのように商品の広告を出して消費者に購入してもらうかや、商品の配列はどうしたら効果的かなどです。
まとめ
以上、この記事では、「経済学部」「経営学部」「商学部」の違いについて解説しました。
- 経済学部
経済を通して社会について学ぶ - 経営学部
企業の活動について学ぶ - 商学部
商業やビジネスについて学ぶ
経済学部は視点が社会にフォーカスしており、お金を通じて社会活動について考えます。
一方で、経営学部と商学部は似たようなビジネス分野について学ぶ学部です。
しかし、ビジネスを企業の経営で見るか、企業と消費者の結びつきで見るか異なっています。
ぜひ、参考にしてみてください。