「持って」と「以って」はどちらも「もって」と読むため、混同してしまいがちな言葉です。
しかし、この2つの言葉には違いがあります。適切に使い分けることによって読み手の気を引くことができるかもしれません。
この記事では「持って」と「以って」の違いを解説します。
結論:「持って」は物を手にすること、「以って」は手段や方法を表す言葉
「持って」は物理的に何かを手にしている状態を表す言葉です。
「以って」は物事を手段や方法とする時に使う言葉です。
「持って」をもっと詳しく
「持って」は物理的に何かを手にしている状態を表す言葉です。しかし、他にも用法によって色々な意味を持つ言葉です。
文脈によっては、「備わっている」「適している」などの意味を持つこともあります。
厳密に分類すると色々な意味を持っていて複雑に感じますが、基本的には「手にしていること」や「所有していること」を表す言葉です。
「持って」の使い方の例
- 彼女は類稀(たぐいまれ)な歌声を持って生まれた。(備わっている)
- 今日は海水浴をするのには持ってこいな天気だ。(適している)
- あなたは自家用車を持っていますか?(所有している)
- 靴紐を結び直すからこの荷物を持ってもらえますか?(手にする)
「以って」をもっと詳しく
「以って」は「もって」と読み、基本的には手段や方法を表す言葉です。しかし、文脈や用法によっては色々な意味を持つ言葉です。
「手段・方法・材料」だけでなく、「原因・理由・時間」などを表す際にも使われます。また、語調を強めるためにも使われる言葉です。
「以って」は古語や漢文では接続詞としてとても多く使われていましたが、現代は助詞として使われることの方が多いです。また、現代において「以って」はひらがなで表記されることがほとんどです。
「以って」の使い方の例
- 魔女はほうきを以って空を飛ぶ。(手段・方法)
- 誠意を以ってクレームに対応する。(手段・方法)
- これを以って答辞とさせていただきます。(区切り)
- この日時を以って会見を行います。(時間)
- 以前から不審だと思っていたが、いよいよ以って信じられない。(語調を強める)
まとめ
以上、この記事では、「持って」と「以って」の違いについて解説しました。
- 持って:物理的に何かを手にしている状態
- 以って:手段や方法を表す言葉