「陳謝」と「謝罪」は、自分の悪い行いを認めて謝る際に使われる言葉ですが、この 2つの言葉のニュアンスは異なります。皆さまは、違いをご存知でしょうか。
今回は「陳謝」と「謝罪」の違いについて解説します。
結論:言葉を伴う「陳謝」、謝る行為全般を指す「謝罪」
「陳謝」とは、経緯や事情を述べた上で謝ることを指します。
一方、「謝罪」とは、相手に過ちをわびる行為全般を指します。
「陳謝」をもっと詳しく
「陳謝」とは、過ちを犯した経緯や事情を説明した上で謝ることを指します。経緯や事情を一切説明することなく頭を下げる行為などは「陳謝」ではありません。
「陳」という字には、「陳述」という言葉に代表されるように、「述べる」という意味があります。これを知っておくと、「陳謝」が言葉を伴った行為であることがより覚えやすくなるでしょう。
「陳謝」の使い方の例
- 今回の問題について、「私の対応が遅かったことが原因だ」と陳謝した。
- 入試の模範解答に誤りがあったことに関して、作成過程の問題点を振り返り、陳謝した。
- 自社の商品に異物が混入していたことに関して、チェック体制の甘さを認め、陳謝した。
「謝罪」をもっと詳しく
「謝罪」とは、自分の犯した罪や過ちを相手にわびる行為全般を指します。わび言を伴う行為や、言葉に代えて頭を下げたり損害を賠償したりする行為はすべて「謝罪」です。
「陳謝」は「謝罪」の中の 1つの形態であると言えます。そのため、「陳謝」を「謝罪」ということは出来ますが、言葉を伴わない「謝罪」を「陳謝」ということは出来ないため、注意しましょう。
「謝罪」の使い方の例
- 私は一連の騒動について、「ご心配をおかけして申し訳ありません」と謝罪した。
- 彼の謝罪行為は、何も語ることなくただただ頭を下げるというものだった。
- 彼女の反省態度には、周囲への謝罪の気持ちが十分にこもっていた。
まとめ
以上、この記事では、「陳謝」と「謝罪」の違いについて解説しました。
- 陳謝:事情や経緯を説明して謝ること
- 謝罪:罪や過ちを相手にわびる行為全般
「陳謝」と「謝罪」はどちらも謝ることを指す言葉ですが、どういう誤り方を指すかという点で違いがあります。前者はわび言を伴う行為を指し、後者はわびる行為全般を指しています。注意して使い分けましょう。