毎年冬になると「初雪」や「初冠雪(はつかんせつ)」という言葉を聞きますよね。この2つの言葉は似ているようで、きちんとした違いがあるのをご存知でしょうか。
この記事では、「初雪」と「初冠雪」の違いを解説します。
結論:観測する状況が違う
「初雪」は初めて雪やみぞれが降った時を指し、「初冠雪」は山の麓から見て山頂に雪が積もっているのを確認できた時を指します。
「初雪」をもっと詳しく
気象庁は、「初雪は寒候期(10月から3月まで)の間に初めて降る雪のこと」としています。
全国各地にある観測所から見て、少しでも雪が降ればこれを初雪とします。初雪はみぞれも含みます。
参考までに、例年の札幌と鹿児島の初雪を見てみると、
- 札幌:10月28日
- 鹿児島:1月2日
となっています。
地域ごとに初雪の時期は大きく違うようです。
「初冠雪」をもっと詳しく
気象庁では初冠雪を、「寒候期に雪が山頂に積もっているのが付近の気象台から初めて見えたとき」と定義しています。
そもそも冠雪とは、山の頂上に雪が積もって白く見える状態のことを指します。
初冠雪と認定されるためには、山の麓にある観測所から見て、山頂が雪に覆われていると確認できることが必要なのです。これがしっかりと確認されて初めて、初冠雪と認められます。初雪とは異なり、場所が特定されているのです。
ちなみに山の山頂付近は気温が低いですから、初冠雪の時期は一般的に初雪の時期よりも早くなります。山の高度にもよりますが、8月から9月に初冠雪が観測される山が多いようですね。
補足:初雪のタイミング
初雪のタイミングを見極めるのは結構大変です。
特に富士山の頂上は常に雪が積もっているように見え、どのタイミングを初めてとするのかがわかりにくいです。実際富士山山頂は、1年のうち300日以上雪が積もっています。
このような理由により、2004年から富士山では初雪の観測が廃止されました。
国内の他の場所でも、同様にタイミングを見極めるのが困難だという理由から初雪を観測する場所は減少してきています。
まとめ
以上、この記事では、「初雪」と「初冠雪」の違いについて解説しました。
- 初雪:寒候期に初めて雪が降った時
- 初冠雪:山の麓から見て山頂に雪が積もった時
よく耳にするのにも関わらず、意外と違いを理解している人が少ない「初雪」と「初冠雪」。これからはしっかりと区別して使いたいですね。