「化学繊維」と「合成繊維」の違いとは?種類までわかりやすく解説

違いのギモン

私たちの身の回りは、石油を原料とした製品で溢れています。

その例が、「化学繊維」や「合成繊維」です。

しかし、これらは私たちの生活に欠かせないものであるにも関わらず、どういったものなのか説明するのは難しいですよね。

この記事では、「化学繊維」と「合成繊維」の違いをご紹介します。

結論:「合成繊維」は、「化学繊維」の一種

「合成繊維」は、「化学繊維」の一種です。

「化学繊維」は、化学的な合成・加工を経て作られた人工的な繊維です。

「合成繊維」は、合成した高分子化合物から作られた人工的な繊維です。

「化学繊維」をもっと詳しく

「化学繊維」は、化学的な合成・加工を経て作られた人工的な繊維です。

「化学繊維」は、「天然繊維」では作ることができない機能を、目的に応じて持たせることができます。

 

「化学繊維」を使って商品化されている衣類について、機能的なメリットの一例を紹介します。

  • 水を吸いやすい
  • 速乾性がある
  • 冷却効果がある
  • 発熱する
  • 保温効果がある
  • 遮熱できる
  • UVをカットできる
  • 汗染みを防ぐ
  • 消臭作用がある
  • 防炎できる
また、着心地の面でも、以下のような性質を持たせることができます。
  • ストレッチ性がある
  • 軽量化されている
  • 撥水(はっすい)効果がある
上記のメリット以外にも、目的に合わせて様々な化学繊維が活用されています。例えば最近では、形状記憶機能があるワイシャツや、家で洗うことができるスーツが開発されています。

「化学繊維」は、様々な機能を持たせることができることから、衣料品以外にも使われています。

例えば、カーテンや毛布などです。絶対に切れてはいけない防災用のロープや、漁で使う魚網(ぎょもう)にも使われています。

「合成繊維」をもっと詳しく

「合成繊維」は、合成した高分子化合物から作られた人工的な繊維です。

高分子化合物とは、分子量が小さい分子が大量につながった構造を持つ化合物のことです。高分子化合物には、天然高分子化合物と合成高分子化合物の2種類があります。

合成高分子化合物とは、石油から得られた物質を元に、化学反応によって様々な機能を持たせた化合物のことです。袋や簡易容器などで知られる合成樹脂、タイヤや長靴などで知られる合成ゴムにも使われています。

「合成繊維」は、以下の13種類あります。

  • ナイロン
  • アラミド
  • ビニロン
  • ポリ塩化ビニリデン系
  • ポリ塩塩化ビニル系
  • ポリエステル系
  • ポリアクリロニトリル系
  • アクリル
  • ポリエチレン系
  • ポリプロピレン系
  • ポリウレタン系
  • ポリクラール繊維
  • ポリ乳酸繊維

「再生繊維」

「再生繊維」は、名前の通り、再利用された原料で作られた繊維です。

例えば、ペットボトルを再利用する場合、チップにしてから、繊維として再び合成します。

このように再利用で作られる繊維で有名なものは、2つあります。

  • レーヨン:木材パルプを再利用した繊維
  • キュプラ:綿花を収穫した後に残った短い繊維

「半合成繊維」

「半合成繊維」は、「合成繊維」と「再生繊維」のメリットを掛け合わせた繊維です。

例えば、レーヨンという再生繊維と、他の合成繊維を化学反応させると、レーヨンより優れた繊維になります。

まとめ

以上、この記事では、「化学繊維」と「合成繊維」の違いについて解説しました。

  • 化学繊維:化学的な合成・加工を経て作られた人工的な繊維
  • 合成繊維:合成した高分子化合物から作られた人工的な繊維
「化学繊維」と一口に言ってもたくさんありますね。目的にあった繊維を選べるようになると、真夏や真冬などの過ごしにくい季節が、より快適になると思います。