世界で起こった「革命」について、学生の頃必死に暗記しましたよね。
しかし、「革新」についてはそれ自体を学ぶことは滅多にありません。
『革新的な』といううたい文句として耳にすることはありますが、「革命」とは何が違うのでしょうか。
そこで今回は、「革命」と「革新」について解説していきます。
結論:「革命」は社会が根本から覆り、「革新」は制度が新しく変わる。
一方「革新」とは、根本はそのままに、より良く革(あらた)めることです。
どちらも何かが変化することを意味しますが、その規模や程度が異なります。
「革命」をもっと詳しく
「革命」とは、国家や社会の仕組みが根本から覆ることです。
代表的な革命では、『ロシア革命』や『ハイチ革命』『フランス革命』などがあります。
『ロシア革命 (1917) 』とは、1917年にロシアで起こった2度の革命を指します。
この革命は、ロマノフ王朝に対して不満を募らせていた市民によって引き起こされました。
結果として王朝は打倒され、ロシアにおける絶対君主制も終わりと告げました。
『ハイチ革命 (1791-1804) 』は、西半球で起こったアフリカ人奴隷による、フランスの植民地支配に対する革命です。
この革命では、アフリカ人の血を引く人々が、フランスの支配に対して反乱を起こし、植民地統治から解放されました。
また、当時世界中で行われていた黒人に対する奴隷状態からも解放され、自由黒人の共和国ハイチが建国されました。
『フランス革命 (1799) 』は、世界で最も代表的な市民革命のひとつです。
この革命では、貴族や平民という階級に関係なく、市民が社会体制に不満を募らせ、王朝に立ち向かいました。
国王ルイ16世や、マリー・アントワネットが処刑されたことでも有名な革命ですね。
結果として王政は廃止され、フランスで史上初の共和政が樹立しました。
これにより、それまでは権力が君主に集中していましたが、人民が最高決定権を持つように、社会体制が変革しました。
つまり、歴史的な「革命」とは、下層階級の人々、つまり社会的・政治的権力を持たない人々が、権力を持つ支配者に対して反乱を起こし、それまでの社会の在り方を根本からガラリと変えてしまうことです。
『反乱』との違いは、実際に社会体制や政治体制が転換されたかどうかです。
つまり、反乱が制圧・鎮圧されてしまった場合には、それは政府・社会に対する市民の対抗=『クーデター』となるのです。
「革新」をもっと詳しく
「革新」とは、新しく革まることです。
「革命」が社会体制・政治体制という、国の在り方そのものが革められるのに対し、「革新」は根本は変化しません。
政治的な意味合いで使われることが多く、現在の体制や状況を改革しようとする働きのことを言います。
たとえば、社会主義や共産主義は、とりわけ政治において進歩的な主義として捉えられていることから、革新主義と呼ばれます。
また「革新」は、革命同様、国家による束縛や圧力に抵抗する、権力を憎み弱者をひいきする政治的姿勢を意味します。
また、『革新的な発明』や『革新的な発想』という表現からわかるように、真新しく、従来の概念を壊すというニュアンスが含まれています。
まとめ
以上、今回は「革命」と「革新」について解説しました。
- 革命:社会の在り方が根本から覆る事
- 革新:社会の制度が新しくなること
「革命」と呼ばれる出来事は、歴史的に数多く存在するわけではありません。
しかし、その裏には革命に至るまでの多くの反乱があり、数えきれないほどの人々の努力や命があるのです。
革命を身近なものとして捉えることは、難しいことです。
しかし、社会をより良くしようと「革新」を求める姿勢は、いつの時代も大切にしたいですね。