「追伸」と「追記」の違いとは?意味から使うべき場面まで解説

違いのギモン

みなさんは友達などと連絡を取りたい時にはどんな手段を使っていますでしょうか。

ラインでしょうか、メールでしょうか、電話でしょうか。

現代では手紙で連絡を取ることは少ないかもしれません。

 

ただ、たまには友達に手紙を送ることがあると思いますし、ビジネスの場面では手紙を書くこともあるかもしれません。

そして、手紙で何か書き足したいことがある時に役立つのが「追伸」や「追記」です。

この2つの言葉は似たような意味を持っていますが、何が違うのでしょうか。

知らないという人も多いと思います。

 

そして、「追伸」と使うべき場面で「追記」を使ってしまったりすると、相手から常識がない人だと思われてしまうかもしれません。

そこで、今回は「追伸」と「追記」の違いについて解説していきたいと思います。

結論:相手がいる必要があるかどうかが違う

まず、「追伸」は手紙などで本文の後に何か書き足したいことがある場合に使います。

一方、「追記」とは本文に付け加えて記載する文章のことです。

つまり、「追伸」では必ず相手がいる必要がありますが、「追記」では相手がいてもいなくても大丈夫なのです。

「追伸」をもっと詳しく

追伸は手紙などで本文の後に何か書き足したいことがある場合に使います。

長くて2~3行程度の量が適切でしょう。

ちなみに、「追」は「軍が出発する時に奉じる肉」と「行く」という意味を選らわす部分とを組み合わせてできた漢字で、敵を追うというのが本来の意味です。

そこから、「求めるものを追う」「既存のものにさらに加える」「既存のものに従う」などの意味が生まれました。

そして、「追伸」では「既存のものにさらに加える」という意味で使われています。

 

ちなみに、追伸は手書きの手紙ならではのものです。

手書きの手紙で何かを書き忘れた場合、メールと違って書き直すのは非常に面倒です。

その上、書き足すと手紙がごちゃごちゃして汚くなってしまいます。

そこで、書き忘れたことを最後に付け加えるために生まれたのが「追伸」なのです。

ここからは、追伸を使いたい場面と、使ってはいけない場面について見ていきましょう。

追伸を使いたい場面

追伸は、相手との関係を深めたい時に用いるのが効果的です。

なぜなら、書き足したいほど書きたいことがある、という気持ちが相手に伝わるからです。

そのため、相手との関係を深める内容を記載するのが一般的です。

例えば、「今度飲みに行きましょう」などと書くと相手との仲がより深まるのではないでしょうか。

 

また、追伸は内容を強調したい時に用いるのも効果的です。

なぜなら、最後に書かれていたことは頭に残りやすいからです。

例えば、追伸で行事のリマインドなどを行うと効果的なのではないでしょうか。

追伸を使ってはいけない場面

追伸を使ってはいけない場面には大きくわけて6つほどあります。それぞれについて見ていきましょう。

【1】メール

メールで追伸を使うべきではありません。

なぜなら、追伸はそもそも手紙で用いられるものであり、メールでは書き足すのが簡単だからです。

【2】目上の人に手紙を書く場合

「追伸」は基本的に親しい人のみに使い、ビジネス場面ではあまり使わないほうがいいでしょう。

特に、目上の人に対する手紙で使うのは厳禁です。

なぜなら、書き直すのが面倒だったのかと思われてしまうからです。

目上の人に対する手紙で何かを書き忘れた場合には、おとなしく最初から書き直すべきでしょう。

【3】仕事でつきあいのある人へ年賀状を書く場合

仕事でつながりのある人へ年賀状を書く場合にも、追伸は使うべきではありません。

なぜなら、追伸は基本的に友達のような関係の人に使うものであるため、ビジネスで付き合いのある人へ使うのは失礼にあたるからです。

【4】感謝や謝罪を文章であらわす時

追伸の欄で感謝や謝罪を行ってはいけません。

なぜなら、感謝や謝罪などは重要なことがらであり、書き足すような事柄ではないからです。

もし最後に追伸として書いてしまうと、取ってつけたような感じになってしまいます。

そのため、感謝や謝罪の気持ちが伝わってきません。

特に、謝罪を追伸で行ってしまうとクレームにつながりかねないので、絶対にやめたほうがいいでしょう。

【5】災害や病気見舞いの手紙を書く時

災害や病気見舞いの手紙を書く時に追伸を使ってはいけません。

なぜなら、不幸が繰り返されるというイメージになってしまうからです。

また、相手の気持ちをおもんぱかって、最低限の文章にとどめるのが無難でしょう。

【6】結婚式のお祝いの手紙を書く時

結婚式でお祝いの手紙を書く時に「追伸」を使ってはいけません。

なぜなら、本文に書き足したいことを重ねてしまうと、結婚を重ねることを連想させてしまうからです。

つまり、追伸は再婚を連想させてしまう言葉なのです。

「追記」をもっと詳しく

追記とは本文に付け加えて記載する文章のことです。

どんな文章にも用いることができるので、それを伝える相手がいるかどうかは関係ありません。

そして、手紙やメール以外の文章で用いられることが多いでしょう。

なぜなら、手紙やメールなどで書き足したいことがある場合には、「追伸」を使うからです。

 

ちなみに、追記には通常、絵やグラフや表などを含まず、文章だけが書かれていることが多いです。

また、内容の補足というわけではないので、内容とはあまり関係のないことが書かれている場合もあります。

まとめ

以上、この記事では、「追伸」と「追記」の違いについて解説しました。

  • 追伸:手紙などで本文の後に何か書き足したいことがある場合に使う
  • 追記:本文に付け加えて記載する文章のこと

「追伸」と「追記」にはこのような違いがあったんですね。

適切な場所で適切に使っていきたいものです。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。