「砂」と「泥」と「土」の違いとは?定義や大きさまでわかりやすく解説

違いのギモン

子どものころに「砂遊び」や「泥遊び」をしたことはありますか? 年を取ってからは、田舎でゆっくり「土いじり」をしたいと思ったことはありますか?

私たちの生活に密接にかかわっている「砂」「泥」「土」の違いは何でしょうか。

結論:砂と泥は無機物、土は有機物

「砂」と「泥」は無機物です。大きさによって呼び分けられています。

一方、「土」は有機物です。砂や泥に、有機物がまざってできたものが「土」です。

「砂」をもっと詳しく

「砂」は、大きさ1/16mmから2mmの岩石の粒です。何となく使っている「砂」という言葉には、実はちゃんとした基準があるのです。

 

大きな岩石も、時間とともに崩れていきます。雨や気温差などによる「風化」や、川の流れによる「浸食」などによって、次第に壊れます。岩石が小さく削られると、砂になるのです。ちなみに、砂よりも粒が大きいものは「(レキ)」と言います。

 

「砂」と言えば、砂漠を思い浮かべるでしょう。「砂漠」とは、植物が生えていないところを指すので、砂が広がっている場所とは限りません。事実、世界の砂漠のほとんどは礫や岩石の砂漠なのです。海岸が必ずしも砂浜になっていないのと、似たような話です。

「泥」をもっと詳しく

「泥」は、大きさ1/16mm以下の岩石の粒です。

泥は、さらに2種類に分かれます。1/16mmから1/256mmまでの大きさのものを「シルト」、1/256mm以下の大きさのものを「粘土」と呼んでいます。

 

粘土には、水とよくまざる性質があります。古代メソポタミア文明で使われていた「粘土板」は、水と混ぜた粘土を広げて文字を書いて乾かしたものです。

現在でも、乾燥した地域では、家に「日干しレンガ」が使われています。日干しレンガとは、水と粘土を混ぜて、型枠に入れて乾かしたものです。大雨が降らない限り、かなりの強度をもちます。焼かなくても強度があるレンガを作れて、自由に家を建てられます。

「土」をもっと詳しく

「土」は、礫や砂、泥などに有機物がついたものです。有機物とは、酸素を含むものです。少し荒っぽい言い方ですが、火をつけると燃えるもの、生き物に関係するもの、と覚えておけば問題ありません。

 

ミミズは土を食べて生きていますよね。土の中に住んでいる微生物や、土に含まれる有機物そのものを栄養にしているのです。ミミズのエサとなる微生物も、元をただせば、土に含まれる有機物を食べているのです。

では、有機物はどのように作られたのでしょうか。答えは、動植物の死骸(しがい)や排泄物(はいせつぶつ)などです。生き物は有機物なので、死骸や排泄物なども、有機物なのです。

 

土は、地層の表面のごく一部です。長い時間をかけて砂や泥などが積もって、さらに、そこで生きてきた生き物の死骸や排泄物が分解されて積もり、はじめて土ができます。

土は、水分と栄養分(有機物・無機物)を含むため、植物の成長に欠かせません。また、山が土におおわれているおかげで、大雨が降っても簡単には土砂崩れが起こらないのです。土は、私たちの生活を支えてくれています。

まとめ

以上、この記事では、「砂」「泥」「土」の違いについて解説しました。

  • :大きさ2mmから1/16mmの岩石の粒
  • :大きさ1/16mm以下の岩石の粒
  • :砂や泥などに有機物がくっついたもの
どれもありふれたものですが、私たちの生活に欠かせないものです。足元に注目してみてもいいかもしれません。