日本は災害大国と言われるほどさまざまな災害に見舞われます。
地震、台風、噴火など……、年に一回はこれらの災害による被害が出てますよね。
このうち火山の噴火では「溶岩」や「マグマ」などという物質が噴出してきますよね。
ところで、「溶岩」と「マグマ」では何が違うのでしょうか。
これについては簡単で明確な違いがありますが、知っている人は少数でしょう。
そこで、今回は「マグマ」と「溶岩」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:地中にあるか、地上に出てきたかが違う
一方、「溶岩」とはマグマが噴火などにより火山の火口から液体として地表に流れ出てきたものです。
つまり、「マグマ」は地中にありますが、「溶岩」は地上に出てきているのです。
「マグマ」をもっと詳しく
マグマとは地球の内部にある岩石成分や水などでできている高温の液体のことです。そして、地殻の内側にあるマントルの上層部で生成されると言われています。
ちなみに、地殻とは地球の表面で固まっている部分のことです。地殻には30km~40kmほどの厚みがあります。
また、マントルは地殻のすぐ下にある部分で、高温高圧の岩石でできていると言われています。
そして、このような環境で生成されるマグマは高温で液体であり、周囲の岩石よりも軽いので自然に地殻の上部にまで上がってきます。
この部分にたどり着いたマグマはマグマだまりと呼ばれるものを作ります。
マグマだまりとは地殻内でマグマが蓄積されている場所のことです。
そして、もともとは800℃~1200℃ほどであったマグマはマグマだまりで冷えて深成岩と呼ばれる岩石になることもあります。
しかし、マグマには強い圧力がかかっているので、火山活動が活発な場所などでは地表まで上がり、火山を通した噴火の原因のひとつになります。
これは、水風船を割ると水が中から飛び出てくるのをイメージすればわかりやすいかもしれません。
「溶岩」をもっと詳しく
溶岩とはマグマが噴火などにより火山の火口から液体として地表に流れ出てきたものです。
そして、これが冷えて固まった岩石のことも「溶岩」と呼びます。
ちなみに、溶岩が冷えて固まった岩石にはボツボツとした穴があいていますが、これにはきちんと理由があります。
マグマには水などの成分が含まれていて、溶岩が固まるとこれやガスなどが抜けてボコボコの穴ができるのです。
まとめ
以上、この記事では、「マグマ」と「溶岩」の違いについて解説しました。
- マグマ:地球の内部にある岩石成分や水などでできている高温の液体
- 溶岩:マグマが噴火などにより火山の火口から液体として地表に流れ出てきたもの
つまり、私たちが普段見ることができるのは「溶岩」だけなのです。
もし、火山の噴火を見て、だれかが「マグマが出てきている」と言っていたら、それはあまり正確な表現ではありません。