「行政書士」と「司法書士」と「弁護士」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

世の中には非常にたくさんの職業があり、私たちの生活を支えてくれています。

中でも法律に関する仕事は専門性が高く、知識のない私たちを助けてくれる重要な仕事です。

今回は、そんな法律に関わる「行政書士」「司法書士」「弁護士」について特徴と違いを解説していきます。

結論:法律の中でも分野が違う

三種類とも、国家資格が必要な職業です。法律の専門家であることは共通していますが、その中で担当している分野が異なります。

「行政書士」は、公的機関に提出する書類に関する法律の専門家です。

「司法書士」は、登記の手続きに関する法律の専門家です。

「弁護士」は、争いごとに関する法律の専門家です。

「行政書士」とは


行政書士とは、官公署(※1)に提出する書類に関する相談や代理作成、代理手続きを行う仕事です。許可・認可に関する書類を主に専門にしています。

このような書類は数千種類存在し、手続きが複雑なものも多くあります。したがって、私たち素人が自力で作成することはかなり大変です。そこで、専門家である行政書士の助けを借りると、スムーズに作成や手続きを終えることができます。

(※1)官公署(かんこうしょ):各省庁、都道府県庁、区役所、警察など国の役所のこと

仕事内容

行政書士の仕事内容は書類の代理作成・手続き、相談です。書類の種類には以下のようなものがあります。

  • 官公署に提出する書類:許可・認可を求めるもの
  • 権利義務に関する書類:遺産分割関係、嘆願書、念書、定款など
  • 事実証明に関する書類:議事録、会計帳簿など
ざっと見ただけでもかなりの種類があります。行政書士のすごさが伝わりますね。

「司法書士」とは


司法書士は、登記など、法務局に提出する書類作成の代行を行います。

法務局は、登記の他にも戸籍や成年後見人の管理などを行っている省庁です。こういったことに関する書類も、司法書士の専門分野です。

仕事内容

司法書士の仕事内容はこのようになっています。

  • 不動産登記
  • 会社登記
  • 裁判所・検察・法務局に提出する書類の作成
  • 簡易裁判所の訴訟・調停・和解の代理

登記とは、会社や土地の権利に変更があった場合、それを国に登録することです。登記された内容は誰でも見ることができるので、取引などの際に役立ちます。登記の代理は、司法書士にのみ許された業務です。

簡易裁判所での代理業務は、全ての司法書士が行えるわけではありません。法務大臣に認可を受けた、認定司法書士のみが行うことができます。

「弁護士」とは


弁護士は、争いごとに関する法律の専門家です。主に裁判での弁護活動を行います。

弁護士になるために受けなければいけない司法試験は、国家資格の中でも最難関と言われています。

仕事内容

弁護士の仕事は多岐に渡りますが、主な内容は以下のものです。

  • 刑事事件における被告人の弁護
  • 民事事件の和解・示談交渉
  • 法律事務・相談:破産手続き、会社の税務など

弁護士には、国家権力から独立した自治が認められています。弁護士は、裁判において国民を守る役割を持ちます。そのため、国家が弁護士を解雇するなどの権限を持つと、国民に被害が出てしまいます。これを防ぐために、弁護士は国家権力の影響を受けないのです。

弁護士は広い範囲の知識を持つため、弁護士の資格を持っていると、弁理士・税理士に受かったことになります。

また、限定された範囲では司法書士や行政書士の業務も行うことができますが、こちらは資格を持っていることにはなりません。

まとめ

以上、この記事では「行政書士」「司法書士」「弁護士」の特徴と違いについて説明しました。

  • 行政書士:公的機関に提出する書類に関する法律が専門
  • 司法書士:登記など、法務局に提出する書類に関する法律が専門
  • 弁護士:争いごとが起きた時に必要な法律が専門

一口に法律と言っても、様々な分野があるんですね。

私たち一般人ができることには限りがあります。生活の中で困ったときは、積極的に専門家を頼りましょう。