「朝令暮改」と「朝三暮四」の違いとは?意味までわかりやすく解説

違いのギモン

四字熟語はたくさんありますが、その意味は意外と分かりづらいですよね。そこで今回は、似ていて分かりづらい「朝令暮改(ちょうれいぼかい)」と「朝三暮四(ちょうさんぼし)」の違いについて解説していきます。

結論:命令が一定しないことか、結果は同じであることに気づかないことか

「朝令暮改」は、命令が次々に変わり一定しないことという意味です。

「朝三暮四」は、目先の違いだけにとらわれて、結果が同じであることに気づかないことという意味です。

「朝令暮改」をもっと詳しく


「朝令暮改」は、法律や命令が次々に変わり一定しないことです。

この四字熟語を訓読みしてみると、「朝(あさ)に令(れい)し、暮(くれ)に改(あらた)む」となります。つまり、朝に命令を出したが、暮れにはその内容を変更してしまうということです。

「朝令暮改」の使い方

朝令暮改の例文をいくつか紹介します。

  • 我が国の政策は朝令暮改で、国民の反感を買っている。
  • 隊長の命令が朝令暮改で、兵士は毎回振り回されている。
  • 周りの人から朝令暮改だと言われ反省する。
  • 朝した約束を夜取り消したら朝令暮改だと言われた。
  • 企業の方針が朝令暮改だと言われても、今の世の中仕方がない。

「朝三暮四」をもっと詳しく


「朝三暮四」は、目先の違いや利益にとらわれて、結局は結果が同じであることに気づかないことや、言葉巧みに人をだますことです。

中国の春秋時代、狙公(そこう)という人はサルを飼っていましたが、経済的に苦しくなってきたので与える木の実を減らすことにしました。

そこで、サルたちに「今日から与える木の実を、朝に三つ、夕方に四つにする。」と説明しました。すると、サルたちは文句を言います。

そこで、「じゃあ、朝に四つ、夕方に三つやろう。」と言うと、貰える木の実の量はどちらも 7 つで変わっていないのに、サルたちは大喜びして承諾しました。

「朝三暮四」は、このような故事からできた四字熟語です。

「朝三暮四」の使い方

朝三暮四の例文をいくつか紹介します。

  • 結果を考えず目先の利益ばかりに目がいっては朝三暮四と言われかねない。
  • 商品そのものを安くする代わりに送料を高くする商売は朝三暮四の悪い例だ。
  • 注意力、判断力が低下すると朝三暮四の状況になりやすい。
  • 店員さんの巧みな言葉にだまされて、定価の商品をお得だと思ってしまった。これぞ朝三暮四だ。
  • 朝三暮四がよくあることなのは、人間が自分にとって魅力的なものに心を奪われてしまうからである。

中国での使われ方


ここまで「朝令暮改」と「朝三暮四」の使い方について説明してきましたが、それは日本語として使った場合の話です。

現代の中国では、朝三暮四について、猿の反応をみてすぐに餌の与え方を変えた狙公のように、すぐに方針を変えてしまうという見方もあります。ですので、中国では朝三暮四が朝令暮改と同じような意味でも使われています

まとめ

以上、この記事では、「朝令暮改」と「朝三暮四」の違いについて解説しました。

  • 朝令暮改:命令が次々に変わり一定しないこと
  • 朝三暮四:目先の違いだけにとらわれて、結果が同じであることに気づかないこと

四字熟語は意味が分かりづらいものも多いですが、しっかり覚えてかっこよく使いこなしたいですね。