「発見」と「発明」の違いとは?定義から使い方の例まで解説

違いのギモン

2012年に山中伸弥さんがノーベル生理医学賞を受賞したことは記憶に新しいですね。彼は成熟した細胞の初期化を可能にし、様々な細胞に分化することができるiPS細胞を作成しました。

彼の偉業は、「発見」と「発明」のどちらだと思いますか?この記事では、「発見」と「発明」の違いを詳しく解説します。

結論:「発見」は今まで存在したもの、「発明」は今まで存在しなかったもの

「発見」とは、すでに存在はしていたけど、人間には知られていなかったものを見つけ出すことを指します。

「発明」とは、この世に存在していなかった物を作り出したり、もともと存在するものに工夫や改善をすることを指します。

「発見」ってなに?


「発見」とは、今まで誰も知らなかった事実や、物を見つけ出すことです。これは、人間の思想や経験などには関係なく、偶然見つかることもあります。

「発見」は、私たちの日常の小さなことから、人類の謎を解明する手助けになる大きな発見まで、様々なことを指します。

「発見」の使い方の例

  1. 本の間から母親のへそくりを発見した。
  2. アフリカを発見したのは、ポルトガルのバルメトロウ・ディアスである。
  3. 日本人によって新しい元素が発見された。

①では、隠した本人以外まだ誰にも知られていないものです。②の文も、アフリカはずっと前から存在していたものの、ヨーロッパの人はその存在をまだ知りませんでした。③の文は、人間が知らなかっただけで、元素というものは自然界にすでに存在するものです。

「発明」ってなに?


「発明」とは、今までになかったものを新しく考え出したり、作り出すことです。「まだ誰もやっていない」「新しく作る、もしくは以前からあったものを工夫する」という二点が重要です。

現在だと当たり前になっているものが、昔は大きな発明になりました。木の軸に黒鉛と粘土で作った芯を入れた鉛筆はひとつの大きな発明です。

さらに、その鉛筆に工夫して、消しゴム付き鉛筆を作ったことも発明と言えます。

 

現代では、発明はかなり高度になってきて、特に機械・製品・方法などの科学技術において多くなされています。発明者の発明品に対する権利を守る特許を得るのは「自然法則を利用した技術思想の創作のうち高度なもの」のみとされています。

「発明」の使い方の例

  1. アルフレッド・ノーベルはダイナマイトを発明した。
  2. 自分が発明した製品が特許庁で承認された。
  3. 偉大な発明家の苦悩は計り知れない。

①の文ですが、ダイナマイトは、それまでに発見された化学物質を組み合わせて作られた新しいものです。②と③の文は、発明にはたくさんの試行錯誤が必要ですが、晴れて完成すれば多くの人に役立ちます。

iPS細胞は「発見」?「発明」?


iPS細胞とは、人工多能性幹細胞(じんこうたのうせいかんさいぼう)のことです。人工とある通り、これは人の手で作られています。

細胞とはいえ、動物の体の中に自然に存在していたものではありません。山中伸弥さんとその研究チームが長い時間努力して作り出したものです。

したがって、iPS細胞は「発明」であることがわかります。

まとめ

以上、この記事では、「発見」と「発明」の違いについて解説しました。

  • 発見:この世にすでに存在していたけれど、人間が知らなかったものを見つけること
  • 発明:この世にまだ存在していなかった理論や物を作り出すこと

世の中にはまだまだ多くの謎、そして発明の可能性が残っています。普段から見慣れたものでも、新しい視点から意識的に見つめることで、「発見者」にも「発明者」にもなれるかもしれません。