職場において人があるポジションを退くときに使う言葉として「辞任」と「退任」があります。この 2つの言葉の意味は、同じではないのです。皆さまは違いをご存知でしょうか。
今回は「辞任」と「退任」の違いについて解説します。
結論:「辞任」は自らの意思で退くこと、「退任」は退き方を問わない
「辞任」とは、自らの意思で任務を辞めることを指します。
一方、「退任」とは、任務を退くこと全般を指し、その退き方は問われません。
「辞任」をもっと詳しく
「辞任」とは、自らの意思で就いている任務から退くことを指します。英語では “resignation” と言います。
任期の途中で辞めさせられたり、また任期を満了して任務から退くことを「辞任」とは言いません。任期を全うしないうちに、自分から申し出て任務から退くことを「辞任」と言います。
「辞任」の使い方の例
- 社長を辞任する。
- 一身上の都合で大臣を辞任する。
- 取締役は、原則としていつでも辞任できる。
「退任」をもっと詳しく
「退任」とは、任務を退くこと全般を指し、その退き方は問われません。英語では “retirement” と言います。
「辞任」は自分の意思で退くという特定の辞め方を意味する言葉ですが、「退任」はあらゆる退き方を包含した言葉です。
「退任」には、以下の 4通りのケースがあります。
- 任期を満了して任務から退くこと
- 自らの意思で辞めること
- 任務を辞めさせられること
- 当事者が死亡して任務を遂行できない状態になること
➋は「辞任」です。➌は「解任」と言います。「退任」は、基本的には任期を満了して任務を退くことを指します。退き方が「辞任」の意味であるならば「辞任」を用い、「解任」の意味であるならば「解任」を用いることが自然です。
「退任」の使い方の例
- 退任する役員に記念品を贈呈する。
- 任期を満了し、大阪府知事を退任する。
- 社長退任の挨拶は、従業員への感謝の言葉から始まった。
まとめ
以上、この記事では、「辞任」と「退任」の違いについて解説しました。
- 辞任:自らの意思で任務を退くこと。
- 退任:任務を退くこと。退き方は問わない。