「化石」と「骨」の違いとは?わかりやすく解説

違いのギモン

子どもの頃に誰もが一度は興味をもつ「化石」。恐竜やアンモナイトなどの、かっこいいものがたくさん知られています。

一方で、肉や魚につきものの「骨」は、化石のような珍しさはありませんよね。

見た目は似ている「化石」と「骨」。2つの違いは何でしょうか。

結論:化石と骨は成分が違う

「化石」は、生物の体から変化したものです。

一方、「骨」は、動物の体を構成するもので、生きているときの状態から変わっていません

「化石」をもっと詳しく

「化石」は、大昔の生物やその痕跡が、長い年月の間残ったものです。

食べ物を放置しておくと腐ってしまうように、生物が亡くなると普通は腐ってしまいます。しかし、骨や歯のように堅い組織は、肉と比べるとかなり長く残ります。

そのために、骨の形をした化石が多く残るのです。とはいえ、比較的腐りにくい骨でも、放置されていたら数億年も残ることはありません。地中に閉じ込められて、空気にふれないでいることが、化石になる条件です。

「骨」と「化石」は大違い

生物の死骸(しがい)などが、長い時間をかけて成分を変えることで、化石になります。つまり、骨の化石も、成分は骨と同じではないのです。

生物の死骸が土砂に埋もれると、地上に比べてはるかにゆっくりと分解されていきます。成分が分解されるころには、土砂は地層の一部になっています。もともと死骸があった部分が、成分が分解されて空っぽになると、その穴を埋めるように別の成分が入りこみます。

こうして、生物の形をそっくりそのまま写し取った化石が作られるのです。

「石油」や「石炭」も化石の仲間

別の例を見てみましょう。石油や石炭のことを「化石燃料」と言いますよね。石油や石炭は、形は生物の原型をとどめていませんが、化石のひとつです

植物が枯れて地中に埋もれると、ゆっくりと成分が変化して、油分が出て化石燃料になるのです。現在の石炭が最も多く作られたのは、およそ3億6000万年前から3億年前までの「石炭紀」です。3億年以上昔の植物のおかげで、今の私たちの生活が成り立っているのですね。

なお、アクセサリーにも人気の「琥珀(こはく)」は、樹液が変化して堅くなったものです。これも、化石の一種です。

 

「化石燃料」に対して、「再生可能エネルギー」も耳にしたことがあると思います。これは、「資源を消費するペースが、資源がつくられるペースよりも遅いエネルギー」を意味します。

もしも、1年間に枯れた植物が石炭や石油になるのと同じだけの石油や石炭しか1年間に使わなければ、化石燃料も再生可能だと言えます。しかし、実際はそうではありません。そのため、石油や石炭を使いすぎたり、二酸化炭素を多く出しすぎたりする問題が起こっているのです。

フンや足跡も化石になる

フンや足跡、巣穴なども化石になります。これらは生物そのものではありません。しかし、生物の活動の跡を示す化石の一種なのです。

このような化石を「生痕(せいこん)化石」と言います。地層の境目に足跡や巣穴があると、一つ上の層の成分が穴を埋めるように入ります。こうして、生物の生きた証がくっきりと残るのです。葉っぱの跡が残ることもあります。そのような化石を「印象化石」と言います。

「骨」をもっと詳しく

「骨」は、セキツイ動物の体を支える大切な組織です。

セキツイ動物」とは、背骨(脊椎=セキツイ)をもつ動物のことです。大まかに分けると、魚類、両生類、ハ虫類、鳥類、ほ乳類の5種類になります。

虫などの、セキツイ動物以外の生物は、骨をもちません。また、イカやタコなどの軟体動物なども骨を持ちません。

 

骨を持たなくても、化石になることはできます。化石は骨だけではなく、生物の痕跡であれば何でも構わないからです。

まとめ

以上、この記事では、「化石」「骨」の違いについて解説しました。

  • 化石:生物の痕跡が長い時間残ったもの
  • :セキツイ動物が体を支えるために持つもの
化石には様々な種類があるのですね。