ニュースなどでよく目にする「児童」「生徒」「学生」。これらは学校に通う人を表す言葉ですが、具体的にどのように使い分けられているのでしょう?
今回はその違いについて解説していきます。
結論:学校教育法に定められる教育課程の違い
「児童」は、初等教育を受けている者、主に小学生のことをいいます。
「生徒」は、中等教育を受けている者、主に中学生、高校生のことをいいます。
「学生」は、高等教育を受けている者、主に大学生、高等専門学校生のことをいいます。
これらはすべて、学校教育法により定められている定義による違いです。
「児童」をもっと詳しく
「児童」とは、「初等教育を受けている者」のことをいいます。
初等教育とは小学校、義務教育学校の前期課程、特別支援学校の小学部などのことです。
これらのうちのいずれかで教育を受けている人のことを「児童」といいます。
よって、児童は主に小学生を指す言葉だと言えますが、これは学校教育法による定義によるものです。
一般的な認識や、報道などにおいてはこの基準がもとになっていますが、法律の種類によって年齢による区別は変わってきます。
たとえば、道路交通法では6歳以上、13歳未満を児童とみなし、児童福祉法などでは18歳未満の者を児童とみなします。
さらにその枠組みの中で年齢に応じた細分化が行われている場合もあります。
児童は主に小学生の事、というというのが一般的な認識ですが、実際には6歳以上~18歳未満のことをいうということですね。
「生徒」をもっと詳しく
「生徒」は、中等教育を受けている者、主に中学校、高等学校に通う者のことをいいます。
基本的に、教科書に沿った教育を教師から受ける者という意味合いが強く、どちらかというと受け身な形で学習をする者のことをいいます。
高校の頃までは、基本的にみんなが同じように決められた時間割の授業を受けていたのではないでしょうか。
大学以降は、自分の学びたい分野の学びたい科目を選んで受けたりしますよね。
このことからも、生徒の間は、主に決められた内容の情報を与えられるというイメージがあります。
また、学校生活における自由度も生徒と学生とでは違います。
高校生までの生徒の間は、服装や髪型、アルバイトなど、学校側から生活的な指導をされることも多いですよね。
大学以降は専門的な勉強する機関と言う意味合いが強く、生活面に対しては自由度が増します。
しかし、学生割引や学生服、学生アルバイトなど、中高生に対し「学生」という呼び名が使われることもあります。
この場合は、学校教育法に基づく区分ではないため、注意が必要です。
「学生」をもっと詳しく
「学生」とは、学校教育法によると、高等教育を受けている者、大学・高等専門学校に在籍する者のことを言います。
よって、短大生・大学生・大学院生・高専生などを「学生」と呼びます。
高専(高等専門学校)は中学卒業後、高校と同じタイミングでの入学となりますが、高専に通う場合は「生徒」ではなく「学生」と呼ばれます。
その理由は、学校教育法による教育段階によって分類される場合、高校は「中等教育」、高専は「高等教育」に分類されるためです。
「生徒」が教科書に沿った既知の知識を体系的に学ぶ者である対し、「学生」は、自ら主体的に知識を学び、未知なるものを研究する者、という意味合いが強いです。
よって高専では実験や研究などが多く行われ、卒論や卒業制作があり、教授による授業が行われるなど、大学に近い内容となっています。
学校教育法では以上のように定められていますが、最近では中高生に対し「学生」という呼称を使うことも増えてきています。
受け身の姿勢での学びではなく、自ら主体的に学んで欲しいという学校側の思いが反映されています。
また、学生割引などは学生証を提示することで交通機関や様々な店舗のサービスなどを安く受けることができます。
こうした制度は、収入のない学生の経済的不安を減らして勉学に専念してもらうことが目的となって始められました。
このように、学校教育法によると高等教育を受けるものが学生と呼ばれますが、広い意味では教育機関に通って勉強をしている人全体を含んでいるといえます。
まとめ
以上、この記事では、「児童」「生徒」「学生」の違いについて解説しました。
- 児童:初等教育を受ける者。主に小学生
- 生徒:中等教育を受ける者。主に中学生、高校生
- 学生:高等教育を受ける者。主に大学生、高専生