日本は世界一の長寿国と言われています。歳を重ねることは喜ばしいことですが、心配なのは病気ですよね。
身近な人や、自分にサポートが必要となったとき、必要なのは「介護」でしょうか。それとも「看護」でしょうか。
そこで、この記事では、「介護」と「看護」の違いについて解説します。
結論:「介護」は生活のサポート、「看護」はケガや病気の回復を助ける
「看護」とは、ケガや病気の療養中の人に対する治療行為または健康回復に向けた行為を指します。
「介護」をもっと詳しく
「介護」=「高齢者」というイメージがあるかもしれません。しかし、介護は高齢者のみならず、ケガや病気の療養中の人・障害を持つ人などの生活に困難がある、あらゆる人を対象としています。
例えば、事故で大ケガをした人や、生まれつき身体的に助けが必要な人の生活を手助けすることも介護です。
日本では伝統的に、家族の介護は家族の中で、特に女性(妻)がその役割を果たしてきました。しかし、現代では介護を専門的な仕事とする人に依頼することがよく見られます。
介護を専門の仕事とする人が「介護士」と呼ばれます。これには介護福祉士の国家試験がありますが、資格がなくても介護士として働くことができます。
「介護士」の仕事内容には、以下のようなものがあります。
- 日常生活動作(食事・着替え・排泄・入浴など)の補佐
- 家事(買い物、炊事、洗濯など)
- 体調管理
- 移動・外出の補佐
さらに、介護の方法には、自宅で行う「在宅介護」と、施設で介護を行う「施設介護」の二つに分けられます。
前者は、生活に困難がある人を家族同士で助けることや、介護士の訪問サービス(訪問介護)を利用して家で介助してもらうことです。
そして後者は、介護施設に入居し、介護士に生活をサポートしてもらいながら、他の入居者と共同生活をすることです。
「看護」をもっと詳しく
「看護」とは、ケガや病気をした人が回復することの援助や、病気予防などへの指導を行なうことです。
本来の意味では、「母親が風邪をひいた子供を看護する。」と言えますが、一般的には、「看護」という言葉は医療従事者のの専門的な医療行為として使われます。
「看護」を専門とする職業を「看護職」と言います。これは以下の四つを指します。
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
「介護」と「看護」の違いの例
「介護」と「看護」の違いは、「訪問サービス」を利用するときに特に重要です。これには「訪問介護」と「訪問看護」があります。
まず「訪問介護」とは、介護士が、サービス利用者の自宅へ出向き、身体介護(食事・着替え・排泄・入浴)、そして家事・買い物・外出などの生活援助をすることです。
次に「訪問看護」とは、自宅療養や在宅介護の時に必要な医療措置をするサービスです。例えば、がん患者が自宅療養するときに、看護師が医師の指導の下で患者に薬を投与することです。
これらの仕事で共通することは、利用者への身体介護をすることです。
他方、明確に異なることは、生活援助は看護には含まないこと、そして、一切の医療的行為は介護に含まないことです。
「介護」では、利用者の必要に沿って、より柔軟な生活のサポートができます。「看護」では専門的な医療行為で利用者の回復を助けることができます。
まとめ
以上、この記事では、「介護」と「看護」の違いについて解説しました。
- 介護:快適な生活を送るためのサポートをすること。
- 看護:医療行為をすること。ケガや病気の回復を助けること。
「介護」も「看護」も、助けが必要な人に寄り添う行為です。これらをする人は、利用者にとっての大事な生活のパートナーになります。
もしあなたが介護や看護の専門スタッフに助けを求めるときには、それぞれの役割を把握し、良い関係を築いていきたいですね。