世界最強?「シロサイ」と「クロサイ」の違い

違いのギモン

皆さんは「サイ」を見たことはありますか。日本には生息していませんが、動物園で見たことがあるという人は多いと思います。

日本の動物園にいるサイは「シロサイ」と「クロサイ」です。名前は聞いたことがありますよね。これらの違いは何でしょうか。

この記事では、「シロサイ」と「クロサイ」について詳しく解説していきます。

結論:色は関係ない

「シロサイと「クロサイ」はどちらも灰褐色のため、色で見分けることはできません。

見分けるポイントは、「大きさ」「ツノの長さ」「口」の3つです。

シロサイクロサイ
大きさ大きい小さい
ツノの長さ長い短い
口の形四角く平たい小さく尖っている

まず最初に、「サイ」について簡単に説明します。

「サイ」の基礎知識

「サイ(Rhinocerotidae Gray)」は、ウマ目サイ科に分類される動物の総称です。主に寒冷地域に生息しており、体毛が耳の周り・まつ毛・尻尾の先端以外には生えていません。

またコラーゲンで形成される皮膚は非常に堅く、厚さは1.5cm〜5cmです。百獣の王と言われるライオンの歯ですら、ほとんど通りません。

現在世界では、以下の5種類が存在しています。

  1. シロサイ
  2. クロサイ
  3. インドサイ
  4. ジャワサイ
  5. スマトラサイ

 

「シロサイ」と「クロサイ」はアフリカ大陸の東部と南部、「インドサイ」はインドからネパール、「ジャワサイ」と「スマトラサイ」は、マレーシアとインドネシアの一部に生息しています。

サイは草食動物ですが、どう猛な性格で縄張り意識がとても強い動物です。縄張りを侵す者が現れると、徹底的に排除します。また意外に走るのが速く、時速50kmを出すことができます。

「シロサイ」をもっと詳しく

「シロサイ(Ceratotherium sium)」はサイ科シロサイ属で、サイの中では最も大きな種類です。体長は3.3m~4.2m、体重はオスが2000kg~3600kgでメスが1400〜1700kgと非常に大型です。ツノも長く、1mを超える巨大なツノを持ってるものもいます。性格はサイの中では穏やかです。

口が横に広く、平たい形をしていることも特徴です。その理由は、地面に生える草を食べて生活するためです。実は「シロサイ」の名前の由来も、ここから来ています。

アフリカの現地人は、シロサイのことを「wijde(幅広い)」と呼んでいました。口が横に広いためです。それを英語に訳す際に「white(白い)」と聞き間違えたことで、「White Rhinoceros(白いサイ)」になったというわけです。

また「クロサイ」は、シロサイと区別するために対象となる黒を使って、「Black Rhinoceros(黒いサイ)と名付けられました。

「クロサイ」をもっと詳しく

「クロサイ」はサイ科サイ属の動物です。サイの中で、「クロサイ」と「スマトラサイ」は比較的小型なことが特徴です。体長は2.8m〜2.9m、体重は350kg〜1300kgとメスのシロサイより小さいんです。

主にタンパク質の豊富なマメ科の葉や小枝、果実を摘まみ取って食べます。そのため、ものを摘むのに適する尖った口を持っています。

サイの「ツノ」

サイは人間の乱獲によって数を減らして来ました。その理由は、サイのツノが癌(がん)などの病気に効くという噂があるためです。そのため高額で売買されていますが、実際にそのような効果はありません。

一番危機的状況にあるのは「クロサイ」です。国際自然保護連合(IUCN)が、最も絶滅の恐れが高い近絶滅種(CR)に指定しています。

しかし最近では、クロサイの数は保護活動によって徐々に回復しています。2003年には3610頭でしたが、2013年には5055頭になりました。

まとめ

以上、この記事では、「シロサイ」と「クロサイ」の違いについて解説しました。

もう一度以下の表で確認していましょう。

シロサイクロサイ
大きさ大きい小さい
ツノの長さ長い短い
口の形四角く平たい小さく尖っている

「シロサイ」と「クロサイ」には、このような違いがあります。名前と色に関係性がないことには驚きますよね。動物園でサイを見つけた際は、大きさや口元に注目してみると面白いと思います。