「署名」と「記名」と「サイン」というのはどれも「自分の名前を書くこと」という意味でいっしょくたにとらえがちです。
しかし、実は法的な証拠能力の高さなどの違いがたくさんあるんです!
契約を結ぶ時などに、キチンと使い分けできないと困るかもしれませんよね。
そこで今回は「署名」と「記名」と「サイン」の違いについて説明していきます!
結論:書く手段が違う
「記名」は手段を問わず、名前を記すことです。
「サイン」は「署名」とほとんど同じ意味です。
「署名」についてもっと詳しく!
「署名」というのは本人が自分の名前を手でで書くことです。法的な言い方をすると「自署」という言い方もします。
ポイントは「本人」が「手」で書くことで、印刷されたものや、自分以外の人が代わりに書いたものは「自署」ではないので気を付けましょう。
また、一部例外があり、署名には「本人自らが手書きで名前などを書くこと」以外にも「本人が書き記したもの」という意味もあります。
メールの後につけられる名前のことも「署名」と言うことがありますが、この使い方の時は、上で紹介したものとは違い、後者の意味を持ちます。
「記名」いついてもっと詳しく!
「記名」とは氏名を記すことです。
自分以外の人が代筆で書いてもかまいませんし、印刷したり、ゴム印で押しても問題ありません。
また、「署名」や「サイン」が少し堅苦しいのに対して、「記名」は日常生活の中でよく使う柔らかいイメージがありますね。
小学生が、自分の持ち物に名前を書くときに「署名」や「サイン」を使うのには違和感があります。この場合は「記名」を使ったほうがいいでしょう。
「サイン」についてもっと詳しく!
「サイン」とは自筆で氏名を記すことです。ここまでだと「署名」と意味が同じですね。しかし、微妙なニュアンスの違いがあります。
日本では「サイン」は「署名」よりも身近な場面で使われることが多いです。
例えば、クレジットカードで買い物をしたときに「ここにサインをお願いします」と店員さんに言われますよね。この時に「ここに署名をお願いします」という言い方をする人はほとんどいません。
「署名をお願いします」というのは重要な契約を結ぶ時や、署名活動をしている時くらいです。
アメリカには日本のようなハンコの文化がないので「サイン」が最重要ですが、日本では違います。
また、有名人・芸能人にファンが書いてもらうものも「サイン」と言いますが、これは英語の “sign” の意味をもとにした「記号・合図・印」などの意味なので、「署名」という意味はありません。
また、「署名」と「サイン」は万年筆・ボールペンなどの書き換えができない筆記用具で書かなければいけません。
鉛筆やシャープペンシルシャープペンシルはもちろん、フリクションなどの消えるボールペンも認められないので、書類を書く際は気を付けましょう。
証拠能力が高いのはどれ?
正式な場での重要度は 署名 ≒ サイン > 記名 となります。
日本では署名やサインよりも印鑑が重要視されるので、一番法的に効力があるのは「署名+捺印」ですが、次が「署名のみ」です。「記名+押印」など記名した上にさらにハンコも押せば署名と同等の法的効力を持つようになりますが「記名のみ」は認められません。
まとめ
以上、この記事では「署名」と「記名」と「サイン」の違いについて解説しました。
- 署名:本人が自筆で氏名を書くことです。
- 記名:手段や人を問わず、氏名を記すことです。
- サイン:署名とほとんど同じですが、少し身近な場面で使われます。
意外と知らない細かいルールがありましたね。
契約を結ぶ時や重要な書類を書くときに、とても大切なポイントになるので、しっかりと使い分けられるようにしましょう。