日常生活で何気なく混同して使用している言葉があると思います。
例えば、「髪」と「髪の毛」がその一つです。「髪を変えた」とも「髪の毛を変えた」とも言いますね。同じ文脈で使用している方も多いです。しかし、「髪」と「髪の毛」は異なる意味を持ちます。では、どちらがより自然な使い方なのでしょうか。
この記事では、「髪」と「髪の毛」の違いを説明します。
このページの目次
結論:「髪の毛」は「髪」の 1 本~数本
「髪」は、頭に生えた毛全体や髪型を指します。
「髪の毛」は、頭の毛の 1 本、あるいは数本を指します。
「髪」についてもっと詳しく
髪は、人間の頭部に生えている体毛です。ケラチンというたんぱく質で形成されています。髪の一番大きな役割は頭部の保護です。外部の衝撃から頭部を保護したり、日光や寒暖からも保護をしています。髪は体毛の中でも色が濃く、髪型はその人のイメージを形成することが多いです。
「髪の毛」についてもっと詳しく
髪の毛は、髪に生えている毛の 1 本~数本を指します。毛はどの部位でも少量を表す際に使用されます。例えば、胸の毛は「胸毛」、眉の毛は「眉毛」と言いますね。その部位に存在する一部の毛が表されているのです。そのため、髪の毛も頭部に存在する一部の毛であると認識しましょう。
「髪」と「髪の毛」の基礎知識
「髪」と「髪の毛」は同じ頭部の毛であり、性質も同じです。そのため、まとめて説明をしていきます。
「髪」の色と質
髪の色や髪の質は人種によって差が生まれます。
ネグロイド(黒色人種)は縮毛、コーカソイド(白色人種)はウェーブがかかった髪、モンゴロイド(黄色人種)は直毛という特徴を持ちます。また、ネグロイドとコーカソイドは髪の毛が細く、モンゴロイドは髪の毛が太い特徴も持っています。
つまり、多くの日本人は直毛で太い毛を持っているということです。
髪色も、人種や年齢による個人差が多いです。含まれるメラニン色素によって、黒髪、金髪等の違いが生まれます。人の力で、メラニン色素を破壊することで髪色を変えることもできます。これは脱色と呼ばれます。また、人工的に染めることで通常とは異なる髪の色に変えることもできます。
「髪」の伸びるスピード
髪の質や色は個人差がありますが、伸びるスピードに個人差はありません。日本人は 1 日に 0.4㎜ 伸びます。よって、1 か月に約 1cm、1 年で 12cm 伸びています。髪の毛の生える速度は一定なのです。
規則正しい睡眠や、栄養バランスのとれた食事を摂取すると健康的な髪が育ちます。逆に、十分な睡眠がとれていない場合や、ストレスが溜まっている時は髪の毛が抜けやすくなってしまいます。
加齢による「髪」の変化
加齢の特徴として白髪が挙げられます。これは、年を取ることによって髪の色素が失われるからです。一般的に、 75 歳以上の人はほとんど白髪交じりになります。85 歳を迎えると、ほとんど人の髪が全体的に白髪となります。
「髪」と「髪の毛」の区別
以下では、「髪」と「髪の毛」の区別の仕方を説明していきます。文脈によってどちらを使用するか変わります。使い方が自然な単語を用いるようにしましょう。
- 髪が乱れている。
- 髪の毛が乱れている。
- 髪:頭部に生えている毛全体
- 髪の毛:頭部に生えている毛の 1 本、あるいは数本
→髪の毛全体が乱れている
→特に、一部分が乱れている
わずかな量の毛を指す場合は「髪の毛」がより自然です。
「髪」と「髪の毛」の英訳
髪と髪の毛を英訳するとどう変化するのでしょうか。
髪は、英語で hairs です。髪の毛は、hair です。hairs は hair の複数形です。英語でも、髪は量の多いものに対して使用されているのです。
まとめ
以上、この記事では「髪」と「髪の毛」の違いについて説明しました。
身近な単語の使い方を解説しました。正しい文脈で使用しましょう!
✖ 今日の髪の毛は素敵だ。
〇 今日の髪は素敵だね。✖ 新しい髪の毛の色を迷っている。
〇 新しい髪の色を迷っている。✖ スープに髪が入っている。
〇 スープに髪の毛が入っている。✖ 髪の毛を変えたら若返った。
〇 髪を変えたら若返った。✖ この筆は赤ちゃんの髪で作られている。
〇 この筆は赤ちゃんの髪の毛で作られている。次の例は、「髪」と「髪の毛」のどちらを使用しても正しいです。しかし、使う単語によって文の意味が変わります。