ニュースではよく法律に反していることを表す言葉が使われていますが、その言葉の種類は複数ありますよね。
例えば、「違法」が一番良く聞く言葉だと思いますが、「不法」や「脱法」も使われることがあります。
これら3つの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回はそんな「違法」と「不法」と「脱法」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:ニュアンスが違う
次に、「不法」は法律に関することのほか、道義にそむくことにも使われます。
そして、「脱法」とはひとつまたは複数の合法的な行為によって非合法行為と同じ結果を得ることです。
つまり、「違法」と「不法」と「脱法」ではニュアンスが異なるのです。
「違法」をもっと詳しく
違法とは法律や規定などの決まりにそむくことです。
そして、「違法」には対義語があり、それは「適法」です。
そのため、「違法」は適法な行為が対としてあるときに使われます。
例えば、「違法駐車」があれば、適切な方法でする駐車もありますし、「違法取引」があれば、法にのっとった適切な取引も存在します。
逆に、そもそもが法律に反している行為に「違法」という言葉は使われません。
例えば、適法な「監禁」などありませんから、「違法監禁」とは言いませんよね。
「不法」をもっと詳しく
不法は法律に関することのほか、道義にそむくことにも使われます。
そして、反社会的なニュアンスが含まれます。
例えば、「不法な手段」と言った場合には法に反している手段だけでなく、道義的に許されないような手段のことも指しています。
ちなみに、ここまでで解説した「不法」は一般的な使われかたであり、法律上の「不法行為」とは少し意味がずれています。
次は法的な「不法行為」について見ていきましょう。
「不法行為」
法律上の「不法行為」とは、ある人がある人の権利や利益などを違法に侵害する行為のことです。
そして、不法行為を受けた人は不法行為をした人を訴えて、損害賠償などを請求することができます。
「脱法」をもっと詳しく
脱法とはひとつまたは複数の合法的な行為によって非合法行為と同じ結果を得ることです。
つまり、見かけ上は法律に違反していませんが、結果的に法律で禁止されていることを行うことを指します。
例えば、最近「脱法ドラッグ」が話題になりましたが、「脱法ドラッグ」に該当する薬は法律で所持や使用が禁止されているものではありませんでした。
しかし、「脱法ドラッグ」の効果は大麻や覚せい剤などの違法な薬物とほとんど変わりません。
ただ、脱法な手段は法改正によって違法にされることも多く、「脱法ドラッグ」も多くが「違法ドラッグ」になりました。
また、脱法的な手段は裁判などで訴えられて処分されてしまうことも多いです。
そのため、手段が合法的だからと言って、脱法行為をやっていいというわけではないのです。
まとめ
以上、この記事では、「違法」と「不法」と「脱法」の違いについて解説しました。
- 違法:法律や規定などの決まりにそむくこと
- 不法:法律に関することのほか、道義にそむくことにも使われる
- 脱法:ひとつまたは複数の合法的な行為によって非合法行為と同じ結果を得ること
「違法」と「不法」と「脱法」にはこのような違いがあったんですね。この記事を読んでいるみなさんはくれぐれも、「違法」行為や「不法」行為や「脱法」行為をしないようにしましょう。