突然ですが、皆さんは “生きた人間の血を吸って生き延びる怪物” と言ったら何を思い浮かべますか。
おそらく「吸血鬼」「ドラキュラ」「ヴァンパイア」だと思います。ただ言い換えただけのように感じる人もいるかもしれませんが、実は面白い事実が隠されています。
この記事では、これらの違いについて詳しく解説していきます。
結論:吸血鬼=ヴァンパイア、ドラキュラは小説に出てくる名前
それぞれの意味は以下の通りです。
「吸血鬼」と「ヴァンパイア」は、人の生き血を吸うと伝えられる怪物のことです。
「ドラキュラ」は、小説「吸血鬼ドラキュラ」に登場する男性吸血鬼の名前です。
「吸血鬼(ヴァンパイア)」をもっと詳しく
「吸血鬼」は、英語で“Vampire”です。つまり、吸血鬼とヴァンパイアは同じ意味を指します。「狼男」「フランケンシュタイン」に並ぶ、世界で最も知られている怪物の一つです。
吸血鬼は名前の通り、人の生き血を吸うと伝えられる怪物です。ニンニクや十字架を嫌うイメージがあると思いますが、これは「ドラキュラ」の設定です。したがって、全ての吸血鬼に当てはまるというわけではありません。
世界には様々なタイプの吸血鬼がいるので、いくつか紹介します。
「ヴァーニー」
“黒のロングコートを着ている吸血鬼”のイメージを確立し始めた作品です。黒のロングコートを着て女性を恐怖させる姿や、心臓を貫かれて滅びるヴァーニーの姿が挿絵として描かれました。また、『吸血鬼ドラキュラ』作品に最も影響を与えた作品です。
「カーミラ」
吸血鬼作品では珍しい女性の吸血鬼で、血を吸う相手も女性を選びます。アイルランド人のジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュが書いたホラー小説で、代表的な吸血鬼作品の一つです。
カーミラは家柄の良い少女で、ローラという少女の城に住んでいました。小説の中では、ローラに対して恋に似た感情を抱いていた様子も描かれています。
「キョンシー」
中国の吸血鬼で、生きているものの首をねじ切り、血を飲むとされています。もともと中国では埋葬前に安置された死体が、夜になると突然動き出して人を驚かすという言い伝えがありました。その言い伝えに血を吸う要素を足したものが、「キョンシー」ということです。
死体なので身体は硬く、ほとんどの関節は曲がりません。そのため足首のみを利用して、跳ねるように移動します。日光に当たると火傷のような症状が現れ、そのまま浴び続けると溶けたり燃えるとされています。
「ラミア」
美しい歌声で子供や男性を誘惑して食べ、その血を啜(すす)ると言われています。
カーミラ以前に誕生した女性吸血鬼です。
「ストリィガ」
鳥の姿をした女性吸血鬼です。ゆりかごの中の生まれたての赤ん坊や、若い男の血を吸います。他の吸血鬼と異なるのは、法律で存在が認められていたという点です。8世紀頃、古代ゲルマンのサリカ法典に記されています。
「ドラキュラ」をもっと詳しく
「ドラキュラ」は、小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場する男性吸血鬼の名前です。1897 年に、アイルランド人作家のブラム・ストーカーが発表しました。ドラキュラはルーマニア語で「竜の息子」、竜には「悪魔」という意味があります。
ドラキュラのモデルと言われているのは、15 世紀のルーマニアの貴族「ワラキア公 ブラド・ツェペシェ」です。
農民のみが串刺し刑だった時代に、貴族にも串刺し刑を採用した人物です。自分の城の前に串刺した人々を何百と並べる、悪魔じみた光景からモデルになりました。
「ドラキュラ」の人物設定
容姿に関しては、「背の高い痩せた男」と「燃えるような赤い目」という印象表現が何度も小説に出てきます。活動期間は日没から日の出までで、夜が明けると目を開けたまま死体に戻ります。
嫌いなものは、十字架を始めとする神の息がかかっているものと、ニンニクです。影は無く、鏡にも映りません。
まとめ
以上、この記事では、「吸血鬼」「ドラキュラ」「ヴァンパイア」の違いについて解説しました。
- 吸血鬼:人の生き血を吸うと伝えられる怪物
- ドラキュラ:小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場する男性吸血鬼の名前
- ヴァンパイア:吸血鬼の英訳
「吸血鬼」「ドラキュラ」「ヴァンパイア」には、このような違いがあります。また現実には、血に興奮と快楽を感じる病は実在します。自傷行為により自らの血液を飲む人もいれば、好ましい異性から血液をもらうタイプの人、また誰かれ構わず血を飲みたくなるタイプの人もいるようです。