「秘密」と「機密」。どちらも「口外してはならないこと」という意味の言葉です。日本語が少し苦手な人でも、聞いたことくらいはあるでしょう。
「好きな女の子の名前を誰にも言わず、秘密にする」
「特定秘密保護法の制定をする」
このように、「秘密」という言葉は幅広い場面で使用されます。
一方、「機密」も映画のタイトルなどで使用されており、ニュースやドラマなどで耳にすることがあります。
今回は、知ってはいるけど詳しくは知らない、改めて聞かれると違いが良く分からない、そんな「秘密」と「機密」の2語の違いを解説していきます。「秘密」を抱えている人も、そうでないも、必見です。
結論:「機密」は、国家レベルの重大な「秘密」。
一方「機密」は、国家レベルで特に重大な「秘密」の情報のことです。
「秘密」をもっと詳しく
「秘密」とは人に言わずに隠すことや、情報が広まらないように公開しないこと、またはその事柄のことです。「秘密」にしている情報は、重要なものから、軽いものまで、幅広い内容が考えられます。
「秘密」は英語では、 “confidence” や “secret” や “darkness” を使います。
「不正競争防止法」は、事業者間の不正行為(要するにずるして儲けること)を禁止する法律です。「不正競争防止法」が禁止する不正競争の1つとして「営業秘密(企業が秘密にしている情報)」を不正の手段で手に入れることがあります。
日常会話でも、「営業秘密」とは言っても「営業機密」とは言いません。このことから、「秘密」とは、民間企業において営業上隠している情報についても使用することが分かります。
ちなみに、「不正競争防止法」における「営業秘密」とは、次のようなものを指します。
- 秘密として管理されている
- 生産方法、販売方法など事業活動に有用な技術上または営業上の情報
- 公然と知られていないもの
他に「秘密」を用いた有名な言葉としては、「秘密裏/秘密裡(ひみつり)」があります。これは、物事が周囲に知られていない状態で進められていることを言います。
また、「秘密結社」という言葉もあります。これは、外部に対して、メンバーや目的、活動内容、あるいはその存在自体を「秘密」にしている団体のことです。
「秘密」の使い方の例
→個人が抱えている小さな情報も「秘密」になります。
→民間企業において、社外に知られていない情報も「秘密」を使います。
「機密」をもっと詳しく
「機密」とは、簡単に言うと「特に重大な秘密」のことです。具体的には、国家の政治・軍事の根幹に関するような、極めて重大な「秘密」のことです。英語では “classified” や “secret” となります。
「秘密」よりも大規模で重要な情報が「機密」です。通常、民間企業においても「機密」という言葉は使いません。
しかし、企業であっても極めて規模が大きいものや、国と取引をする場合などは「機密」という言葉が使われることがあります。
情報の重要性については、次のような区分がされることがあります。
- 機密(top secret):情報がもれることにより、組織を揺るがすような特に重大な損害が予想されるもの。
- 極秘(secret):情報がもれることにより、重大な損害が予想されるもの。
- 秘(confidential):情報がもれることにより、損害が予想されるもの。
「機密」の使い方の例
→国家の政治的・軍事的な重大な「秘密」のことを「機密」と言います。
まとめ
以上、この記事では、「秘密」と「機密」の違いについて解説しました。
- 秘密:人に言わず、隠している情報
- 機密:国家規模の特に重大な「秘密」
一般の人であれば、何かしら「秘密」を抱えていることはあっても、「機密」を抱えていることはなかなかないでしょう。しかし、自分にとっては、国家の「機密」以上に大切な「秘密」というのもたくさんあるでしょう。どちらにせよ、流出しないように注意しましょう。
特に現在は情報化が進み、一度世間に出た情報は二度と「秘密」や「機密」になることはありません。うっかり口を滑らせないように、あるいはこっそり人に持ち出されないように、大切な情報と向き合っていきましょう。