丸っこくてジューシーな果物と言えば、「プラム」ですよね。給食で出てきたプラムを一口でほお張ろうとして、苦しい思いをした人も多いのではないでしょうか。
一方で、よく似た味の果物として、ドライフルーツの定番「プルーン」もあります。また、「スモモ」の花とプラムの花もよく似ています。
これら「スモモ」「プラム」「プルーン」の違いは何でしょうか。
結論:「スモモ」と「プラム」は同じ、「プルーン」は仲間
東アジアを中心に栽培されていて、主に生食で食べられるのが「プラム」です。
一方、ヨーロッパを中心に栽培されていて、生食やドライフルーツなどで食べられるのが「プルーン」です。
「スモモ」をもっと詳しく
「スモモ」は、中国・コーカサス原産の果物です。現在は、東アジアとアメリカで主に栽培されています。
生物学的には、サクラ属の下のスモモ亜属に分類されます。サクラ属には、サクラだけでなく、アーモンドやモモなども入っています。そして、スモモ亜属には、ウメやアンズも含まれます。
「スモモもモモもモモのうち」という早口言葉がありますが、本当にモモとスモモは種として近いのです。
日本では、中国原産のスモモが持ち込まれ、古くから栽培されていました。奈良時代の歌人・大伴家持(おおとものやかもち)が、スモモの白い花を見て詠(よ)んだ和歌が、『万葉集』に残されています。
わが園の 李(スモモ)の花か 庭に降る はだれのいまだ 残りたるかも
春先に咲いたスモモの白い花を見て、「雪がまだ庭に残っているか」と思いを巡らせるという歌です。
「プラム」をもっと詳しく
「プラム」は、東アジアを中心に栽培されているスモモです。「東洋スモモ」とも言い、英語では “Japanese plum” と呼ばれます。
現在私たちが口にしているプラムは、昔から栽培されてきたものとは少し違います。19 世紀にアメリカに渡って品種改良されたものが、ふたたび東アジアに戻ってきて広まりました。
プラムには様々な品種があり、6 月から 9 月頃まで市場に出回っています。色も品種によって大きく違います。主な品種を紹介します。
- 大石早生(おおいしわせ):7 月上旬が旬で、皮は赤く実は黄色い
- ソルダム:8 月上旬が旬で、皮は緑で実は赤い
- 太陽:8 月中旬が旬で、皮は赤く実は白っぽい
「プルーン」をもっと詳しく
「プルーン」は、ヨーロッパを中心に栽培されているスモモの仲間です。
「西洋スモモ」とも呼ばれ、英語では “Domestica plum” と呼ばれます。”domestic” は「国内の」という意味なので、”Japanese plum” に対しての地元(ヨーロッパ)の種という意味で名づけられています。
ただし、日本では生食のスモモ全体を「プラム」、乾燥したものを「プルーン」と呼ぶこともあります。
実際には、生食やジャムなど、様々な食べ方があります。また、プラムは赤っぽく、プルーンは青っぽいというイメージがあるかもしれませんが、プルーンも様々な色のものがあります。
まとめ
以上、この記事では、「スモモ」「プラム」「プルーン」の違いについて解説しました。
- スモモ:東アジアで昔から栽培されてきた果物
- プラム:スモモを品種改良した果物
- プルーン:欧米で栽培されているスモモ(プラム)の仲間