「川柳」と「俳句」の2つの違いとは?季語やテーマまでわかりやすく

違いのギモン

「川柳」と「俳句」に一度は触れたことがあると思います。しかし、この2つは同じ、五・七・五のリズムで読まれるだけに見分けがつきずらいと感じている方がいると思います。

この記事では、川柳と俳句の違いについて紹介します。

☆「川柳」「俳句」の違いをざっくり言うと……

川柳俳句
季語不必要必要
切れ字決まりがない必要
テーマ人間社会の出来事自然の美しさ
文字形式口語体文語体
呼び方ものす、吐く詠む

結論:川柳には季語がない

一番の違いは、季語があるかどうかです。季語とは、赤とんぼ(秋)や枯れ木(冬)など春夏秋冬を表す働きを持つ言葉です。しかし、川柳には季語がありません

川柳


形や規律に囚われない自由なスタイルが特徴です。季語が不必要です。切れ字に関しては決まりが無いです。切れ字とは、「かな」や「けり」などの句の中または句の終わりに存在する助詞、助動詞のことです。切れ字には、句を区切る働きを持ちます。

また、音のリズ[ad#top]ムや響きを楽しんだり、駄洒落(だじゃれ)を交えたりなど言葉遊びが多様されます。そして、最近では、口語体の形式が多く幅広い世代に親しまれています。世の会社員たちの悲しさや苦労を謳った、サラリーマン川柳も有名です。

テーマに関しては、人間社会の出来事であったり、民俗的な要素を多く含んでいます。

一般的に、「川柳を詠む」と呼ぶことはなく、「川柳をものす」または「川柳を吐く」と呼ばれます。

俳句


季語や切れ字を巧みに操るのがが特徴です。江戸時代には、「俳諧」(はいかい)と呼ばれていました。その後、正岡子規らによって「俳句」という呼び方が広まりました。

また、文字形式は近世から明治初期までの言葉で表される文語体です。そして、句の途中で言葉を省略して読み手に想像させる「省略法」や有名な句のフレーズを引用して展開していく「本歌取り」、句の終わりを体言で終えて印象を残す「体言止め」などの様々な表現技法が使われます。

テーマは、自然の美しさについてが中心です。呼び方は、川柳とは違い、「俳句を詠む」と言います。

まとめ

以上、川柳と俳句の特徴を紹介しました。この2つ違いを以下の表にまとめました。

川柳俳句
季語不必要必要
切れ字決まりがない必要
テーマ人間社会の出来事自然の美しさ
文字形式口語体文語体
呼び方ものす、吐く詠む

俳句と川柳は両方とも、同じリズムですがそれぞれに特徴や違いがあります。しかし、中には俳句と川柳のどちらとも捉えることができる句も存在します。

いずれにしても、日常ではあまり読むことの少ない俳句や川柳に触れてみてはいかがでしょうか。