最近、「忖度(そんたく)」という言葉をよく聞きますよね。
国会でよく用いられるようになったことにより、ニュースで流れることも多くなり、「忖度」という言葉を多くの人々が使うようになりました。
ところで、「忖度」と似た言葉として「斟酌(しんしゃく)」があげられます。
これも少し難しい言葉ですが、この2つの言葉にはきちんと違いがあります。
そこで、今回は「忖度」と「斟酌」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:行動が伴うかどうかが違う
一方、「斟酌」とは相手の感情をくみ取り、手加減をするという意味です。
つまり、「忖度」と「斟酌」では行動が伴うかどうかが異なるのです。
「忖度」をもっと詳しく
忖度とは他人の気持ちを推し量るという意味です。
そして、「忖」は「心」と「寸」を組み合わせてできた漢字ですが、このうち「寸」は長さをはかるという意味を表しています。
また、「度」もはかる、推量するという意味です。
そして、「忖度」はもともとははかる、推量するという意味でした。
しかし、この意味はのちに変化し、「忖」の「心」の部分が生かされた「他人のこころを推し量ること」という意味になりました。
つまり、もともとは忖度は行動を伴わない表現だったのです。
しかし、現在では行動をともなう意味で使われることも多くなり、「斟酌」に近い意味になってきています。
「斟酌」をもっと詳しく
斟酌とは相手の感情をくみ取り、手加減をするという意味です。
つまり、忖度と違って具体的な行動に移すという意味も含まれているのです。
これが一番メインの意味ですが、斟酌にはそのほかにも 2 つほど意味があります。
まず、あれこれ照らし合わせて取捨するという意味です。
また、言動を控えめにし、遠慮するという意味を表すこともあります。
ちなみに、「斟」も「酌」も分量をはかりながら汲むという意味を表しています。ここから他人の気持ちを推し量るという意味が生まれました。
まとめ
以上、この記事では、「忖度」と「斟酌」の違いについて解説しました。
- 忖度:他人の気持ちを推し量るという意味
- 斟酌:相手の感情をくみ取り、手加減をするという意味
「忖度」と「斟酌」では、このような違いがあります。しかし、国会などでは「忖度」を「斟酌」の意味で使っていることも多いようです。
国民の代表として国会に出ているのであれば、使う言葉の意味をきちんと把握しておいてほしいものですね。