「犯す」「侵す」「冒す」みなさんは普段からこの3つをしっかり使い分けられていますか?
この三つはすべて人間にとって感心できないこと、すすめられない行為のことを指しますが、場面によってどの漢字をあてるかが変わります。
今回は間違えやすいこの同音異義語の違いを解説していきます。
結論:「オカす」対象が何かによって変わる!
「犯す」は、法律、規定を破るときに使います。
「侵す」は、他人の権利、持ち物などを奪うときに使います。
「冒す」は、危険を乗り越えて行動する、病気などが心身をそこなうときに使います。
「犯す」についてもっと詳しく!
「犯す」の定義は以下の通りです。
- 法律・規則・道徳などにそむくことをする。
- 女性に暴行を加える。姦淫する。
感心できないこと、すすめられない「オカす」行為のうち、法律的にも、倫理的にも行ってはならない行為のことを指します。
「犯す」の使い方の例
- 罪を犯す
- 過ちを犯す
- 女性を犯す
「侵す」についてもっと詳しく!
「侵す」の意味は以下の通りです。
- 他国・他人の領域に不法に立ち入る。また、攻め入る。
- 他者の権利・権益などをそこなう。
- 尊厳をけがす。
他人の持ちもの(場所・秘密)に対して、強引に干渉・侵入する行為を表します。
そして、「侵す」は相手がいる場合に限定されるという特徴もあります。
侵入、侵害などの熟語と一緒に覚えましょう!
「侵す」の使い方の例
- 国境を侵す
- プライバシーを侵す
- 聖域を侵す
「冒す」についてもっと詳しく!
「冒す」の意味は以下の通りです。
- 困難や危険を乗り越えて行動する。
- 病気などが人の心身をそこなう。また、薬品が物質をそこなう。
- 他人の姓を名乗る
「冒す」の文字は冒険という熟語でよく目にするので➊の使い方はわかりやすいですね。困難なことをあえてする、無理に押し切って進むという意です。
➋は冒涜という熟語で表される用法です。
➌は「養家の姓を冒す」などです。あまり見ない用法ですが覚えておくといいでしょう。
「冒す」の使い方の例
- 病魔に侵される
- 金属が酸に冒される
- 風雨を冒して救助にかけつける
まとめ
以上、この記事では「犯す」「侵す」「冒す」の3つの同音異義語の違いについて解説しました。
- 犯す:法律、規定を破るとき
- 侵す:他人の権利、持ち物などをそこなうとき
- 冒す:危険を乗り越えて行動する、病気などが心身をそこなうとき
どれもあまりいい意味で使われることはありませんが、しっかり使い分けられるといいですね。