スノッブ効果とは「ある商品・サービスに関して、他者の消費が増えれば増えるほど、需要が減少する」という意味です。
店頭やインターネットで商品を買う時、「期間限定」という文字を見て商品を買うという経験をしたこと、みなさんも一度はあるのではないでしょうか。
スノッブ効果とは、この「期間限定」に関わる心理学用語です。
ここではスノッブ効果の意味や具体例などについて、わかりやすく解説していきます。
☆「スノップ効果」をざっくり言うと……
読み方 | スノッブ効果 |
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意味 | ある商品・サービスに関して、他者の消費が増えれば増えるほど、需要が減少する |
提唱者 | 経済学者ライベンシュタイン 論文「消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、およびヴェブレン効果」で提唱 |
英語訳 | snob effect(スノッブ効果) |
このページの目次
「スノッブ効果」の意味
ある商品・サービスに関して、他者の消費が増えれば増えるほど、需要が減少する
スノッブ効果とは、ある商品・サービスに関して、他社の消費が増えれば増えるほど需要が減少することを指す言葉です。
スノッブとは、「上品ぶった振る舞いをするなど、人より上にいると自分をアピールする人」という意味です。
この効果には、「他の人とは違った私でいたい」という心理が大きく関係しています。
この心理が働く際、人は「他人がもっていないものを欲しい」と思うようになり、簡単には手に入れられないものの需要が大きく増加します。
逆に、誰もが簡単に入手できるようなものの需要はどんどんと減少していくのです。
また他にも、「今日は特別な時間を過ごしたい」というような非日常感を味わいたい場合などでも、スノッブ効果は作用します。
スノッブ効果は、マーケティング戦略において非常に重要な意味をもちます。
この効果を利用して商品の販売促進を行いたい場合には、販売個数や販売時期を適切に調整する必要があるのです。
利益を出すためには多くの商品を売ることが重要ですが、あまり売りすぎてしまうと市場に多くの商品が出回ることになり、スノッブ効果による売り上げの変動が起きにくくなります。
また、例えば他の店舗が同じような商品を出している際に同様の商品を出店した場合にも、スノッブ効果の影響は減少しています。
そのため、販売個数や時期のバランスをとることが重要になるのです。
スノッブ効果が働いて売り上げが変動する商品としては、以下のようなものがあります。
- ブランド品
- ご当地食品
「スノッブ効果」の具体例
スノッブ効果が働いて売り上げが伸びるようなマーケティング戦略としては、以下のようなものがあります。
例①:限定商品
お店に行くと、「期間限定商品」や「地域限定」「今だけ!!」のような文字を目にする機会があると思います。
これは、「限定」ということを全面的に打ち出すことによって、他者の消費が限られたものであると消費者に訴えかけ、それによってスノッブ効果を味わっているのです。
これによって、「他者と差別化したい」と考えている人たちは、他の人が経験したことがないような経験をしようと、その商品に飛びつくようになり、結果的に売り上げが向上します。
例②:オーダーメイド
最近では、自分だけのスーツや靴を作る事ができる、「オーダーメイド」と呼ばれる商品が数を増やしてきています。
これも限定商品と同様に、「他の人は全く同じ商品を手にすることはない」と限定性を消費者にアピールすることによって、消費者の購買意欲を煽り、結果的に売り上げに繋げるというマーケティング施策です。
「スノッブ効果」の提唱者
スノッブ効果を提唱したのは、経済学者のライベンシュタインです。
彼が1950年に書いた論文「消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、およびヴェブレン効果」の中でスノッブ効果は提唱されました。
また、この論文のタイトルにもなっている、バンドワゴン効果とヴェブレン効果も、スノッブ効果と同様に消費者の購買意欲に関する効果のことです。
それぞれの効果の意味は、以下の通りです。
- バンドワゴン効果:
他者の消費が増えれば増えるほど、需要が増加する効果 - ヴェブレン効果:
商品の価格が高いなどの要因になり、「この商品を人に見せびらかしたい」という心理が高まり、需要が増加する効果
「バンドワゴン効果」とは
バンドワゴン効果は、他者の消費が増えれば増えるほど、需要が増加する効果のことです。
他者の需要が増えるほど需要が減っていくスノッブ効果とは、逆の効果を表す言葉です。
これは、人々の「流行に乗りたい!」「自分以外も使っているから、この商品は安全だ!」という心理を利用した効果です。
バンドワゴン効果が使われている事例としては、以下のようなものがあります。
- 選挙
- SNSによるインフルエンサーの発信
- キャッチコピーによる商品の宣伝
「ヴェブレン効果」とは
ヴェブレン効果とは、商品の価格が高いなどの要因になり、「この商品を人に見せびらかしたい」という心理が高まり、需要が増加する効果のことです。
一般的に消費者は商品を安く買いたいと考えますが、ヴェブレン効果が働くと逆に消費者は高い商品に魅力を感じ、それを買い求めようとします。
ヴェブレン効果には、顕示欲が大きく関係しています。「この商品を持っているということで周囲にマウントをとりたい」という欲求や、「〇〇を持っている自分凄い!」という自己実現欲求などが元となり、この効果は発生します。
ヴェブレン効果が働くような例としては、以下のようなものがあります。
- ブランド品
- 高級ホテルの会員証
- インスタ映えするスポット
「スノッブ効果」の英語訳
スノッブ効果を英語に訳すと、次のような表現になります。
- snob effect
(スノッブ効果)
“snob” とは、上記でも説明した通り、「上品ぶった振る舞いをするなど、人より上にいると自分をアピールする人」という意味です。
この単語と「効果」を意味する “effect” が組み合わさり、スノッブ効果の英語訳となっています。
「スノッブ効果」のまとめ
以上、この記事ではスノッブ効果について解説しました。
読み方 | スノッブ効果 |
---|---|
意味 | ある商品・サービスに関して、他者の消費が増えれば増えるほど、需要が減少する |
提唱者 | 経済学者ライベンシュタイン 論文「消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、およびヴェブレン効果」で提唱 |
英語訳 | snob effect(スノッブ効果) |
このように、スノッブ効果はマーケティングをする際に非常に重要になるテクニックです。
みなさんも何か物を売る場合には、ぜひこの効果を意識してくださいね。