バルスとは「映画『天空の城ラピュタ』でラピュタを崩壊させるための滅びの呪文」です。
バルスは、定期的にネット上で盛り上がりを見せる言葉ですが、その由来や詳しい意味は知らない人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、諸説ある「バルス」という言葉の由来まで詳しく解説していきます。
☆「バルス」をざっくり言うと……
読み方 | バルス |
---|---|
意味 | 映画『天空の城ラピュタ』でラピュタを崩壊させるための滅びの呪文 |
由来 | 映画『天空の城ラピュタ』に登場する台詞から |
類義語 | 消えろ 滅びろなど |
対義語 | リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール |
英語訳 | balus(バルス) close(閉じろ)など |
このページの目次
「バルス」の意味
映画『天空の城ラピュタ』でラピュタを崩壊させるための滅びの呪文
例:ゴキブリが出て、「バルス」と叫んだ。
ラピュタに登場する滅びの呪文として有名だったバルスという言葉は、ネット用語でラピュタ以外の物への滅びの呪文として使われるようになりました。
嫌いな人間や嫌いなものに対して「バルス」と唱えることで、対象に対して「滅びろ」と言っていることになります。
「バルス祭り」の意味
バルスがネット用語として有名になったきっかけに「バルス祭り」があります。
「バルス祭り」とは、地上波の『天空の城ラピュタ』の放映の際にバルスのシーンまでのカウントダウンや同時ツイートが行われる一連の流れのことです。
ジブリ映画である『天空の城ラピュタ』は、現在でも定期的に金曜ロードショーで放映されています。
その際に、Twitterで実況をしながら『天空の城ラピュタ』を鑑賞する人が多くいました。
中でも、映画内で最も印象的な台詞である「バルス」を、シータとパズーが唱える瞬間に同時にツイートする行為が流行したのです。
2011年12月9日の金曜ロードショーで放映された際には、23時22分に唱えられた瞬間に「バルス」という単語のTwitterのツイートが25088ツイート/秒に達し、当時の世界記録を樹立しました。
ここから、地上波の『天空の城ラピュタ』の放映の際にバルスのシーンまでのカウントダウンや同時ツイートが行われる「バルス祭り」が始まりました。
Twitterの他にもニコニコ動画や2ちゃんねるなどでも、バルスまでのカウントダウンや同時のコメント入力が行われるようになりました。
2013年には、バルスが唱えられるシーンの数分前に2ちゃんねるのサーバーがダウンしたことも話題になりました。
「バルス」の使い方
先にも述べたように、バルスはネット上ではラピュタ以外の嫌いなものに対しても滅びの呪文として使われます。
実際に、使い方を例文とともに見ていきましょう。
- リア充が公園でイチャイチャしており、思わずバルスと呟いた。
- 2011年には「バルス」が同時ツイート数の新記録を更新した。
- このキャンプ場は虫が多すぎるね。バルスとでも言ったらいなくなってくれるかな。
➀は、ネット用語である「リア充爆発しろ」と同じニュアンスでバルスが使われています。
➁は、『天空の城ラピュタ』の台詞を指す言葉として使われています。
「バルス」の由来
バルスの由来は、ジブリ映画『天空の城ラピュタ』に登場する滅びの呪文です。
映画内では、バルスはラピュタ語で「閉じろ」という意味の単語であると説明されています。
しかし、ネット用語として使われているバルスは「閉じろ」ではなく「滅びろ」「消えろ」というニュアンスになっています。
ラピュタ語では「バル」が「開く」「助ける」などのプラスの意味があり、「ス」が否定の意味を持っているのではないかと推測されています。
その根拠は、主人公のシータがおばあちゃんから教えてもらった「困ったときのおまじない」です。
意味:我を助けよ、光よよみがえれ
「バルス」という呪文は、「幸福になるには、悪い意味の言葉も覚えないといけない」と言われてシータが教えてもらった、上記のおまじないと対になる存在です。
上記のおまじないにも「バル」という単語が入っていることがわかります。
よいおまじないには「バル」が含まれ、滅びの呪文は「バルス」となっていることから、上記のような推測がされているのです。
また、映画内で滅びの呪文として「バルス」という単語が使われた理由に関しては、いくつかの説が提唱されています。
- 「平和」という意味のトルコ語 “barış”
- 『マッドメン』からの引用
それぞれの説を詳しく見ていきましょう。
「平和」という意味のトルコ語 “barış”
トルコ語の “barış” は、「平和」という意味を持ちます。
「バルス」は滅びの呪文として使われる言葉なので、一見すると「平和」という意味とは正反対だと思ってしまいます。
しかし、ラピュタは映画内で描かれているように、かつては先進的な科学技術で世界を収めた帝国でした。
ラピュタを利用すれば、ムスカが目論んでいたような世界征服も可能になってしまうのです。
つまり、ラピュタを滅ぼす呪文である「バルス」は、見方によれば世界に平和をもたらす呪文であるとも考えられるのです。
『マッドメン』からの引用
1975年から連載された少年漫画である諸星大二郎作の『マッドメン』に、「バルス」という言葉が登場します。
『マッドメン』は、パプア・ニューギニアを舞台に、近代化により失われ行く神話と伝統を描いた作品です。
この『マッドメン』の中で、「バルス」という言葉は「飛行機」や「鳩」という意味で使われています。
宮崎駿監督は、諸星大二郎の作品に強い影響を受けていると言われています。
特に『マッドメン』の影響は、『もののけ姫』など『天空の城ラピュタ』以外の作品への影響も強く見られています。
「バルス」の類義語
バルスには以下のような類義語があります。
- 消えろ
- リア充爆発しろ
- 滅びろ
「バルス」の対義語
バルスには以下のような対義語があります。
- リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール
「我を助けよ、光よよみがえれ」という意味のおまじない
「バルス」が滅びの呪文であったのに対し、上記の言葉は「困ったときのおまじない」として教えられたものです。
「バルス」の英語訳
バルスを英語に訳すと、次のような表現になります。
- balus
(バルス)
「バルス」は、もともと存在する言葉ではなく、映画内でラピュタを崩壊させるための呪文として作られた造語です。
そのため、英語訳でもそのまま「バルス」と言われます。
実際に、英語版の『天空の城ラピュタ』でも、「バルス」と発音されています。
「閉じろ」の意味の英語訳
バルスはラピュタ語で「閉じろ」という意味の言葉であると解説されています。
「閉じろ」を英語に訳すと以下のようになります。
- close
(閉じろ)
「滅びろ」「消えろ」の意味の英語訳
ネット用語としての「バルス」は「滅びろ」「消えろ」などの意味で使われます。
それらを英語訳すると以下のようになります。
- destroy
(滅びろ) - get lost
(消えろ・失せろ)
その他の意味の「バルス」
バルスは、『天空の城ラピュタ』での滅びの呪文以外の意味で使われることがあります。
- ロシアの軍用機用レーダー
- 日本の小売業者である株式会社Francfrancの旧会社名
- トルコ語で「平和」という意味の単語
- アルゼンチンにおける単語の一種
- 楡周平(にれしゅうへい)の新聞小説のタイトル
以上のように複数の意味を持つ言葉ですが、もっとも有名なものは「滅びろ」などのニュアンスで使われるラピュタの呪文としての意味です。
「バルス」のまとめ
以上、この記事ではバルスについて解説しました。
読み方 | バルス |
---|---|
意味 | 映画『天空の城ラピュタ』でラピュタを崩壊させるための滅びの呪文 |
由来 | 映画『天空の城ラピュタ』に登場する台詞から |
類義語 | 消えろ 滅びろなど |
対義語 | リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール |
英語訳 | balus(バルス) close(閉じろ)など |
バルスという言葉には、複数の意味や由来が存在することがわかりましたね。