何かを精一杯することを表す言葉に「一所懸命」と「一生懸命」という2つの四字熟語がありますが、この違いを知っていますか?
読み方も漢字もよく似ていて区別しづらいですが、実は由来に大きな違いがあるのです。
この記事では「一所懸命」と「一生懸命」の違いについて説明していきます。
結論:「一所懸命」と「一生懸命」の意味に違いはない
しかし、「一生懸命」は「一所懸命」が転じたもので、もともとは「一所懸命」という言葉が使われていました。
「一所懸命」をもっと詳しく
「一所懸命」という言葉は中世( 鎌倉時代の頃 )にできたもので、武士が「1ヶ所の領地を命をかけて生活の頼みにすること」や「1ヶ所の土地を命がけで守ること」から生まれました。
そこから、「命がけで物事をすること」「土地を守ること」「切羽詰まった状態」という意味になりました。
現在は「命がけで物事に取り組むこと」という意味を持っています。文字通り、「1つの所に命を懸ける」ということです。
しかし、日常で一般的に使われる時は「全力で取り組む」程度の意味で使われています。
「一生懸命」をもっと詳しく
「一生懸命」という言葉は「一所懸命」が転じたものです。
「一所懸命」の命がけで取り組むという意味だけが残り、「一所」が「一生」と間違われたことから「一生懸命」という言葉が生まれました。
最初は「一所懸命」の誤用とされていましたが、「いっしょうけんめい」の方が言いやすいことから徐々に市民権を得ていきました。
現在でも「一生懸命」は一所懸命の誤りとしている辞書もありますが、「一生懸命」も間違いではないという考え方が一般的です。
一生懸命の「一生」には「人生で一度しかないこと」や「人生に関わる重大なこと」という意味があり、一所懸命の「一所」よりも強い意味を持っています。
そのため、あえて「一生懸命」という言葉を使い、より大切な場面や状況であると表すこともできます。
就活などの時には「一生懸命」を使った方が良いと考える人も多いようです。
まとめ
以上、この記事では、「一所懸命」と「一所懸命」の違いについて解説しました。
- 一所懸命:命がけで物事に取り組むこと
- 一生懸命:一所懸命が転じた言葉
しかし、一所懸命は「いっしょけんめい」と読む一方、一生懸命は「いっしょうけんめい」と読みます。
一所懸命を「いっしょうけんめい」と読むと間違いとなるので気をつけましょう。