日本語には、「同音異義語」というものがあります。
中には意味が似通っているように見えて実際には少し違う、そういった言葉も存在します。
今回はその中で「探求」と「探究」の違い、またそれぞれの意味や使い方について解説します。
結論:「探求」は探り求めること。「探究」は探りきわめること。
「探求」を詳しく
「探求」は「求める」とある通り、何かを手に入れようと探し求めることを言います。
「探求する」は英語にすると “search for” となり、類義語は、追求する・探索するなどがあります。
例えば、“人生の意義をたんきゅう”するという場合、当てはまるのは「探求」です。
人生の意義はいくら調べて研究しても、歴史上の事象や他人が教えてくれるものではなく、自らが探し求めるものだからです。
また、“自分の理想をたんきゅう”するという場合も、何かを手に入れようと探し求めているので「探求」を使います。
「探究」を詳しく
「探究」は「究める」とある通り、物事の意義や本質を探ってみきわめることを言います。
「探究する」は英語にすると、 “investigate” ・ “inquire” ・ “research” ・ “study” になり、類義語には、追究する・研究するなどがあります。
“たんきゅう心”が旺盛と言う場合は、深く掘り下げて物事の本質をみきわめようとする気持ちが旺盛なことをいうため、「探究心」が正しく、「探求心」は誤りです。
“人類学のたんきゅう”という場合、当てはまるのは「探究」です。
人類学について研究し、本質や意味を追求するという意味で用いるためです。
補足:「探求心」と「探究心」
ここまで探究と探求の違いについてそれぞれ見て来ました。
具体的なイメージを掴んで頂くために、人の性格を表したりする言葉である「探求心」と「探究心」について見ていきたいと思います。
1つ目に、探求と探究に「心」がつくとどういった意味になるのでしょうか。
探求心は知識欲が旺盛かつ問題解決に邁進する気持ちのことで、探究心は深く掘り下げて物事を見きわめようとする気持ちのことです。
2つ目に、探究心と探求心の共通点についてです。
探求心と探究心の共通点は、貪欲に粘り強く向かって行く気持ちの表れであることです。
3つ目に、人が何かに取り組む時に通過する心の段階についてです。
人は段階を追って心の変化を生じます。
探求心と探究心の類語には「追求心」があります。
追求とは、どこまでも後を追いかけ求めることを意味する言葉です。
つまり、人は探求心によって新たな知識や更なる知識を求め、追求心によってそれを諦めずに粘り強く求め、探究心によって深く掘り下げていきます。
まとめ
以上、「探求」と「探究」の違いについて解説しました。
- 探求:あるものを探り求めたり、手に入れようとすること
- 探究:知識を得たり、物事の本質や原因について深く掘り下げること
探求と探究の違いの探求によって、同音異義語を正しく使い分けられるようになりたいですね。