「放す」と「離す」は、発音こそ同じですが意味は異なる言葉です。言葉のニュアンスが似ていて使い分けに迷ったことのある方も多いのではないでしょうか。
今回は「放す」と「離す」の違いについて解説します。
結論:「放す」は自由にさせる、「離す」は距離を置く
一方、「離す」とは、くっついている状態を分けて距離を置くことを指します。
「放す」をもっと詳しく
「放す」とは、束縛されていた状態から自由にさせることを指します。英語では “release” と言います。
「放す」は、「離す」と違い、対象が拘束されているという状態が前提にあります。例えば、「解放」や「釈放」という言葉がありますが、これらは拘束していた何かを自由の身にさせることを意味する言葉です。
また、矢や銃弾などを発射することも「放す」と言います。これは、発射された矢や銃弾は手元にある状態から自由になるためです。
「放す」の使い方の例
- 小鳥を手から放す。
- 動物を檻から放す。
- 持っていた矢を放す。
「離す」をもっと詳しく
「離す」とは、ぴたりと接している状態を分かち、距離を置くことを指します。英語では “separate” と言います。
「離す」の場合、「放す」と違い、自由にさせるという意味はなく、単に物距離を置くことが意味の中心にあります。
また、「目を『はなす』」という際にも「離す」を用います。これは、視線をずらすことで視界の中にあった対象から距離を置くためです。
「離す」の使い方の例
- 黄身と白身を離す。
- 目を離したすきに、子どもが迷子になってしまった。
- 先頭集団に大きく離されてしまった。
どちらでも意味が通る表現
「放す」と「離す」は、この言葉に対してはこちらを使うといったような絶対的な決まりはなく、どちらとも使える場合があります。
例えば、「手をはなす」という場合には「放す」と「離す」のどちらを用いても意味が通ります。ただ、前者の場合は対象を手元から解き放って自由にさせるニュアンスがあるのに対して、後者は単に対象と手との距離を広げるという意味です。
このように、同じ言葉に対して両方の「はなす」を用いることが出来るケースがあるため、両者それぞれの意味をきちんと覚えるようにしましょう。
まとめ
以上、この記事では、「放す」と「離す」の違いについて解説しました。
- 放す:拘束されている状態から自由にする
- 離す:接しているものを分かち、距離を置く