減らすことを表す熟語としては「削減」と「低減」と「軽減」などがあげられます。
これらは日本語で使っている時に、なんとなく使いわけている人が多いですが、違いを答えられる人はあまりいないのではないでしょうか。
そこで、今回は「削減」と「低減」と「軽減」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:ニュアンスが違う
まず、「削減」とは一定の範囲を切り取って少なくすることです。
次に、「低減」は数値で表せるものが減ったり、減らしたりするという意味です。
そして、「軽減」は数値で表せないものが減ったり、減らしたりするという意味です。
「削減」をもっと詳しく
削減とは一定の範囲を切り取って少なくすることです。
権限を持つ誰かが意識的にばっさり切り取ってるイメージが強いです。
そして、あらかじめ切り取る範囲が決まっているため、範囲が決まってないものに使われることはありません。
また、削減は何者かが意図をもって行っているイメージがあるので、自然に減少していく時にも使われることはありません。
そして、減らすという行動そのものを指しているので、現時点では効果が出ておらず、減少していません。
例えば、「予算を削減する」と言った場合、現時点では予算の金額はそのままで、削減に成功して初めて減少しますよね。
「低減」をもっと詳しく
低減は数値で表せるものが減ったり、減らしたりするという意味です。
そして、モノの値段や割合など、具体的な数値で表すことができるものが減ったり、減らす場合に使われることが多いでしょう。
例えば、この言葉は「魚の価格を低減した」とは使えますが、「ストレスを低減した」と使うことはできません。
ストレスは数値で表すことができないからです。
また、低減という言葉はマイナスなイメージで使われていることも多いです。
例えば、「出産率が低減している」と言った場合、出産率が低くなってきているのはよくない、というニュアンスが感じられますよね。
そして、低減は自然現象として減っていく時にも使うことができます。
「軽減」をもっと詳しく
軽減は数値で表せないものが減ったり、減らしたりするという意味です。
具体的には負担や苦痛などを減らして軽くすることや、減って軽くなることなどを表します。
例えば、「ストレスを軽減する」などのように使われます。ストレスは基本的には人間の負担になりますから、それを減らして軽くする、という意味になっていますよね。
また、ストレスは数値で表すことができませんよね。
そして、軽減にはただ減らすのではなく、それによって仕事や作業が楽になるような工夫や改革を表すニュアンスがあります。
また、軽減は主観的な表現です。なので、同じことをやっても人によって軽減されていると感じるかどうかが異なる場合があります。
例えば、風呂に入るとストレスが軽減されると思いますが、その程度は人によって違いますし、中には風呂に入るのが嫌いな人もいるかもしれません。
まとめ
以上、この記事では、「削減」と「低減」と「軽減」の違いについて解説しました。
- 削減:一定の範囲を切り取って少なくすること
- 低減:数値で表せるものが減ったり、減らしたりするという意味
- 軽減:数値で表せないものが減ったり、減らしたりするという意味
「削減」と「低減」と「軽減」にはこのような意味の違いがあるんですね。この違いを雑学として友達に披露してみるのもいいかもしれません。