みんな大好きな冬の味覚といえば、「カニ」ですよね!高級でいつも食べられるとは限りませんが、その分、カニを食べると幸せな気持ちになるものです。
ところで、カニには「ズワイガニ」「タラバガニ」「毛ガニ」など様々な種類がありますが、その違いはわかりますか?
☆「ズワイガニ」「タラバガニ」「毛ガニ」の違いをざっくり言うと……
ズワイガニ | タラバガニ | 毛ガニ | |
---|---|---|---|
分類 | カニ下目 | ヤドカリ下目 | カニ下目 |
大きさ(オス) | 70cm | 1m | 50cm |
産地 | 北陸~山陰 | 北海道太平洋側 | 北海道各地 |
結論:「タラバガニ」は「ヤドカリ」の仲間
生物学的には、「ズワイガニ」「毛ガニ」は「カニの仲間」に分類されますが、「タラバガニ」は「ヤドカリの仲間」に分類されます。
カニはエビなどと並んで「十脚目(じっきゃくもく)」に分類されています。十脚目の下に、共通して「エビ亜目」も置かれています。その下が異なり、「ズワイガニ」「毛ガニ」は「カニ下目」に分類されますが、「タラバガニ」は「ヤドカリ下目」なのです。
そうは言っても、脚が 10 本あることも、「カニの味」がすることにも変わりありませんよね。慣習的に呼ばれてきた名前を尊重して、和名(日本語での正式名称)でも、「タラバガニ」は「タラバガニ」と呼ばれています。
「ズワイガニ」をもっと詳しく
「ズワイガニ」(学名: Chionoecetes opilio)は、日本では日本海が主な漁場となっています。深海に住み、低温を好みます。
見た目の特徴としては、甲羅が丸みのある三角形をしていることや、1 本目と 5 本目の脚が短いことがあげられます。オスの体長は脚を広げると 70cm ほどに達する一方で、メスは 40cm ほどにしかなりません。
そのため、日本各地で雌雄を呼び分けています。主な呼び方をあげてみました。
- 石川県:加能ガニ(オス) – 香箱(コウバコ)ガニ(メス)
- 福井県:越前ガニ – セイコ(勢子)ガニ
- 京都府:松葉ガニ – コッペガニ
- 兵庫県:松葉ガニ – セコガニ
- 鳥取県:松葉ガニ – 親ガニ
これらの呼び分けはあくまでも目安ですが、オス・メスともに様々な呼び名があることがわかりますね。
大きなオスのカニが全国に出荷される一方で、小さなメスのカニは地元で消費されることが多いです。しかし、地元ではメスの方が「安くて味も濃い」とされ、カニ漁が解禁されると多くの人が市場にメスのカニを求めます。
石川県から鳥取県にかけての日本海側の地域では、カニ漁の時期は観光の絶好の機会にもなります。新鮮なカニを食べることを目玉にしたツアーがたくさん企画されたり、旅館でカニ料理を出すプランが発売されたりします。
「タラバガニ」をもっと詳しく
「タラバガニ」(学名: Paralithodes camtschaticus)は、北太平洋やオホーツク海などの冷たい海に生息するヤドカリの仲間です。学名の後ろの部分は、「カムチャツカ半島」を表していますね。
「タラバガニ」の名前は、タラの漁場に生息していることに由来します。
「ヤドカリの仲間」とは言え、見た目はもちろんカニそのもの。しかし、よく見ると違いがあります。たとえば、カニは10 本脚がありますが、タラバガニは 8 本しか見えません。一番下の 1 対はとても小さくて体の中に隠れているのです。また、一番上の脚はハサミになっているので、他の 3 対とは形が異なります。
タラバガニは、脚を伸ばすと大きさは 1m ほどにもなります。底引き網や刺し網などによって捕獲されます。脚が大きいため、ズワイガニと並んで缶詰に加工されることも多いです。
「毛ガニ」をもっと詳しく
「毛ガニ」(学名: Erimacrus isenbeckii)は、北西太平洋を中心に生息するカニの仲間です。
日本では北海道が主な産地で、各地の猟期が異なっているため、ほぼ一年中毛ガニが水揚げされています。漁法は、カニかごが中心です。
毛ガニは、名前の通り全身が毛に覆われています。オスの方がメスよりも大きく、メスと比べて甲羅が縦長になっています。
北海道では毛ガニは特に人気が高いです。タラバガニと比べて小さめなので脚は身が少ない一方で、カニミソが美味しいとされています。
しかし、最近では資源の減少が問題になっています。他のカニと同様、厳しい漁獲制限を行っています。特に毛ガニの減少幅は大きく、輸入が増えています。
その他の色々なカニ
ハナサキガニ
[出典:http://www.nimuoro.com/SHOP/kf0sk040.html]
「ハナサキガニ」は、茹でると鮮やかな赤色になる小ぶりのカニです。北海道太平洋側東部が日本での主な漁場で、根室市にある花咲地区からこの呼び名がついたともいわれています。「ハナサキガニ」も、タラバガニと同様ヤドカリの仲間です。
身は濃厚な味わいですが、脂が多いのでたくさん食べるのは難しいかもしれません。北海道では、脚などを味噌汁に入れて煮込んだ「鉄砲汁」が定番料理です。
上海ガニ
中華料理の高級食材である「上海ガニ」は、淡水性の小ぶりなカニです。正式な名前は「チュウゴクモクズガニ」と言います。
秋が旬のこのカニは、カニミソの美味しさが特に知られています。大きなハサミを持つ凶暴なカニですが、蒸したカニは中国の秋の風物詩です。
まとめ
以上、この記事では、「ズワイガニ」「タラバガニ」「毛ガニ」の違いについて解説しました。
ズワイガニ | タラバガニ | 毛ガニ | |
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分類 | カニ下目 | ヤドカリ下目 | カニ下目 |
大きさ(オス) | 70cm | 1m | 50cm |
産地 | 北陸~山陰 | 北海道太平洋側 | 北海道各地 |
好みに合わせてカニを選べるといいですね。