夏になると食べたくなる瑞々しい野菜といえば、「きゅうり」ですよね。夏祭りの屋台では、棒に刺したきゅうりの一本漬けの屋台が人気です。また、同じく夏野菜の定番は「ズッキーニ」。カレーやラタトゥイユなどにするとおいしいですよね。
では、「きゅうり」と「ズッキーニ」の違いは何でしょうか。どちらも緑色で細長いので、同じ野菜に思われるかもしれませんが、実際は大きな違いがあります。
☆「ズッキーニ」「きゅうり」の違いをざっくり言うと……
ズッキーニ | きゅうり | |
---|---|---|
原産地 | 南米 | ヒマラヤ山麓 |
分類 | ウリ科カボチャ属 | ウリ科キュウリ属 |
料理 | 加熱が中心 | 生食が中心 |
見た目 | トゲがない | トゲがある |
結論:「ズッキーニ」はカボチャの仲間
「ズッキーニ」も「きゅうり」も、どちらもウリ科に属する植物です。
しかし、その下の分類が異なっています。
「きゅうり」は「キュウリ属」に分類される一方、「ズッキーニ」は「カボチャ属」に分類されます。
その他にも様々な違いがあります。
「ズッキーニ」をもっと詳しく
「ズッキーニ」は南米原産のツルを持たないウリ科の植物です。温暖な気候を好む一方で寒さには弱いので、地中海料理によく使われています。日本では春ごろに種まきをして夏に収穫をするというサイクルで栽培されます。
学名 “Cucurbita pepo L.” とあるように、ズッキーニはペポカボチャの仲間です。「そうめんカボチャ」(錦糸瓜)やハロウィーン用の園芸品種と同じグループに属しています。
きゅうりと違って、ズッキーニの調理は生食よりも加熱が中心です。特に油との相性が良く、炒め物や揚げ物が好まれます。たとえば、ラタトゥイユ(トマトと煮込んだ料理)やオムレツ、フリットなどが定番料理です。
花がついた状態の「花ズッキーニ」や花そのものも食べるように、未熟な状態で食べることが多いです。しかし、黄色に完熟したものも食べられています。
ズッキーニはカリウムや β-カロテン、ビタミンC を多く含んでいて、栄養価も高いです。
細長いものだけでなく、丸いものもあり、形は様々です。
「きゅうり」をもっと詳しく
「きゅうり」はヒマラヤ山麓原産の野菜で、ツルを持ちます。ズッキーニと違って暑さにも弱く、病気になることも多いです。栄養価も低く、95% が水でできています。しかし、瑞々しい食感からサラダや漬物に欠かせない人気の野菜となっています。
ズッキーニと違って実に小さなトゲがあり、トゲの硬さは新鮮さの目安になります。黄色の未熟なうちに収穫するのが一般的で、花がついたままのものも見かけます。
そんな「きゅうり」ですが、名前の由来は「黄瓜」です。なぜ緑なのに「黄」とつくかと言うと、江戸時代までは黄色に完熟したものを食べていたからです。現在主流の瑞々しいものと品種も異なっていて、水分量も少ないものでした。
そのため味がしないと言われ好まれていなかったきゅうりですが、品種改良で現在のおいしいきゅうりが日本に普及し、定番野菜としての地位を確立しました。
きゅうりにも様々な種類があり、ハンバーガーによく入っているコリコリしたピクルスの材料もきゅうりの一種です。メキシコが主産地の「ガーキン」というもので、一般的なきゅうりに比べて小ぶりで色も薄いです。
世界中で食べられているきゅうりですが、やはりほとんど生食が中心です。
イギリスのアフタヌーンティーに欠かせないのは「きゅうりのサンドイッチ」です。スコーンやケーキと並んで人気を博しています。作り方はいたってシンプルで、薄くスライスしたきゅうりをワインビネガーにしばらく漬けたものを、バターを塗ったパンにはさむというものです。
その他にも、トルコを中心に食べられている「ヨーグルトの冷製スープ」もご紹介しましょう。
ヨーグルトを冷水でのばし、千切りのきゅうりを加えて塩コショウで味付けするシンプルな料理ですが、二日酔いの防止にもなる体に良いスープです。
世界には様々なきゅうり料理があるのですね。
まとめ
以上、この記事では、「ズッキーニ」と「きゅうり」の違いについて解説しました。
ズッキーニ | きゅうり | |
---|---|---|
原産地 | 南米 | ヒマラヤ山麓 |
分類 | ウリ科カボチャ属 | ウリ科キュウリ属 |
料理 | 加熱が中心 | 生食が中心 |
見た目 | トゲがない | トゲがある |
このように、「ズッキーニ」と「きゅうり」には大きな違いがあります。
気分に合わせて選べるようになりたいですね。