「牛乳」「加工乳」「乳飲料」は「原料・成分」が異なります。
乳製品といったら、皆さんは何を思い浮かべますか?
おそらくほとんどの人が牛乳を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、牛乳といっても、「加工乳」や「乳飲料」など、牛乳に似たものがいくつもありますよね。
今回は、牛乳と加工乳と乳飲料の違いをわかりやすく解説します。
「牛乳」と「加工乳」「乳飲料」の違い
「牛乳」「加工乳」「乳飲料」は、原料や成分が異なっています。
それぞれの違いをまとめると、以下のようになります。
- 牛乳:
絞ったままの牛の乳で、他の物質が何も混ぜられていないもの - 加工乳:
クリームや脱脂粉乳などを牛乳に混ぜることで、脂肪分を調整したもの - 乳飲料:
栄養や風味など、牛乳由来以外のものを牛乳に混ぜたもの
「牛乳」の意味
牛乳とは、牛の乳を搾った後、そのまま加熱殺菌したものです。
牛乳には、牛の乳以外の余計なものは、水や添加物を始めとして何も含まれていません。
牛乳は、さらにその成分によって、以下の5種類に分けることができます。
- 牛乳
- 成分調整牛乳
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
- 特別牛乳
それぞれの違いについては、以下のようになっています。
牛乳
牛乳は、目の見えない人であっても他の飲み物と区別できるようになっています。
500mL以上の屋根型パックの容器であれば、開口部の反対側に少しのくぼみである「切欠き」が含まれているのです。
成分調整牛乳
成分調整牛乳とは、普通の牛乳と比べ、無脂乳固形物(むしにゅうこけいぶつ)の割合が少ない牛乳です。
無脂乳固形物とは、タンパク質や炭水化物、ミネラルやビタミンといった栄養素のことです。
成分調整牛乳は無脂乳固形物を減らすために、普通の牛乳から水や乳脂肪分を取り除いて作られます。
低脂肪牛乳
低脂肪牛乳は、成分調整牛乳を派生して作られた牛乳です。
成分調整牛乳からさらに乳脂肪の一部を削り、低脂肪にした牛乳のことを指します。
脂肪が少ない分、低カロリーになるのが特徴です。
無脂肪牛乳
無脂肪牛乳も低脂肪牛乳と同じく、成分調整牛乳が派生した牛乳です。
低脂肪牛乳よりもさらに乳脂肪分を削っており、乳脂肪が全体の0.5%以下しか含まれていない牛乳が、無脂肪牛乳です。
脂質が非常に低いため、カロリーも全牛乳の中で最も低くなっています。
特別牛乳
特別牛乳は、保健所で「特別牛乳搾取処理業」の許可を受けた施設で絞った生乳を処理した牛乳のことです。
しかし、これは科学的に証明されていません。
夜に牛乳を飲む=悪ではないので注意しましょう。
「加工乳」の意味
加工乳は、牛乳から作られた製品であるクリームや脱脂粉乳、バターなどを使い、牛乳の成分を調整したものを指す言葉です。
加工乳や牛乳の規程は、「乳等省令」という食品衛生法に基づく法令の中で定められています。
一般的に、加工乳として有名なもので「濃厚」「低脂肪」「特濃」などとついている製品があります。
これらは脂肪分の高さによって分けられており、脂肪分が高い物から順に「特濃」>「濃厚」>「低脂肪」となります。
また、加工乳は物によって価格が大きく異なります。
生の牛乳が使われている割合が大きいほど価格は高くなり、水や脱脂粉乳など他の製品が使われているほど、商品価格は安くなります。
「乳飲料」の意味
乳飲料とは、乳製品の中に栄養素や風味など、牛乳由来のものではない成分を混ぜた製品を指す言葉です。
乳飲料については、「飲用乳の表示に関する公正競争規約」という基準で内容が詳しく規定されています。
また、乳飲料に関しては、製品内に含まれている生乳の割合が50%以上か50%以下なのかを表記する必要があります。
コーヒー牛乳・いちご牛乳について
小学校の頃の給食として出てくることも多く、人気も高い食べ物であるコーヒー牛乳やいちご牛乳は、かつては牛乳の一種と考えられていました。
しかし、飲用乳の表示に関する公正競争規約によって乳飲料とそうでないものの違いが厳格に定められたことに伴い、コーヒー成分やいちごの風味など牛乳由来以外の成分が含まれているこれらの製品は、乳飲料として扱われるようになりました。
そのため、今ではコーヒー牛乳やいちご牛乳を、牛乳の一種っとして販売することはできません。
まとめ
以上、この記事では、「牛乳」「加工乳」「乳飲料」の違いについて解説しました。
- 牛乳
絞ったままの牛の乳で、他の物質が何も混ぜられていないもの - 加工乳
クリームや脱脂粉乳などを牛乳に混ぜることで、脂肪分を調整したもの - 乳飲料
栄養や風味など、牛乳由来以外のものを牛乳に混ぜたもの
このように、牛乳と加工乳と乳飲料には明確な違いがあります。
違いをしっかりと覚えておきましょう。