英語を習っているとよく出てくるのが「コロン(:)」や「セミコロン(;)」や「カンマ(,)」です。これらの記号は文の中で重要な役割を果たしていますが、学校の先生はこれらの記号についてあまり教えてくれません。
なので、使い方がよくわかっていないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「コロン」と「セミコロン」と「カンマ」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:役割が違う
まず、「コロン」は大ざっぱに言うとイコールの意味を表しています。
次に、「セミコロン」はピリオドとカンマの中間的存在です。
そして、「カンマ」は日本語における読点(、)で、区切りや付け足しのために使われます。
「コロン」をもっと詳しく
コロンは大ざっぱに言うとイコールの意味を表しています。
この記号は、前の文が完全文である時にだけ使えます。
ちなみに、完全文とは、主語と述語があり、その文だけで意味が通じる文のことです。
そして、コロンの代表的な役割は3つです。それぞれについて見ていきましょう。
【1】説明・定義・列記・強調のコロン
説明・定義・列記・強調はコロンの一番有名な使いかたです。これらの使い方では、コロンの前の文と後ろの部分とが必ずイコールの関係になっています。
まず、説明のコロンではコロンの前にある内容を後ろの文で説明します。以下の例文を見てみましょう。
(私はお酒が飲めません。19歳だからね。)
この例文ではコロンで理由を説明していますよね。
次に、定義のコロンではコロンの前にある内容の定義を後ろで述べます。
また、列記のコロンではコロンの前の内容の例を後ろで列記します。これも例文を見てみましょう。
(私は3つの都市に住んだことがあります。東京と大阪と名古屋です。)
また、強調のコロンではコロンを付けることで後ろの言葉を強調しています。
【2】引用文の前のコロン
これは、後ろに引用文を付ける時にコロンをつけるというものです。これはカンマでも代用することができますが、引用文が複数続く時にはコロンが使われることが多いでしょう。
例文で確認してみましょう。
(私の父は私に毎日同じことを言う。あきらめるな! おまえはできる!)
【3】タイトルとサブタイトルの境目を明確にするコロン
アカデミックな文章の参考文献を示す時は、文献のタイトルとサブタイトルとを明確にするためにコロンを用いることがあります。
これは以下の例のように使われます。
(ハリーポッターと賢者の石)
この場合は「ハリーポッター」がタイトルになっていて、「賢者の石」がサブタイトルになっています。
「セミコロン」をもっと詳しく
セミコロンはピリオドとカンマの中間的存在です。記号の形もピリオドとカンマを組み合わせた形になっていますが、役割もピリオドとカンマの中間的なものになっているのです。
具体的には、ピリオドより完全に文を終わらせたくはないけど、カンマよりは文章の流れを強く区切りたい時に使われます。
ちなみに、セミコロンを使う時にはセミコロンの後ろも前も完全文である必要があります。
セミコロンの使いかたはネイティブでもきとんと説明するのが難しいほど難易度の高いものですが、主に3つあります。
【1】2つの文を関係させてつなぐセミコロン
セミコロンは接続詞の代わりに用いられることがあります。セミコロンを使うことで、2文の関係性を強く表しているのです。
具体的には、「順接」「逆説」「原因・結果」などの意味で使われています。
例えば、以下の例文を見てみましょう。
(われ思うゆえにわれあり)
これはデカルトの有名な格言ですが、ここでのセミコロンは「結果」の意味を表しています。
【2】接続副詞の前のセミコロン
接続副詞を使う際、文を区切らない場合は前にセミコロンを使います。
ちなみに、接続副詞とは前の文と後ろの文とを結びつける役割がある副詞のことです。接続副詞の例としては “however(しかしながら)” や “still(それでも)” などがあげられます。
そして、以下のように使われます。
(私はとても眠かったが、眠ることはできなかった)
【3】すでにカンマを使用した後に続けて区切りたい時に使うセミコロン
カンマを一回使ってしまったものの、更にもう一回区切りたい時がありますが、その場合にはセミコロンを使います。これは、以下のように使われます。
(私の家族は以下の通りです。父親のジョンソン、母親のメアリー、妹のアン。)
「カンマ」をもっと詳しく
カンマは日本語における読点(、)で、区切りや付け足しのために使われます。
そして、カンマは日本語の読点のように感覚的に使われることもありますが、基本的なルールもあります。
ここでは7つほど紹介したいと思います。
【1】文節の区切りのカンマ
カンマは文節を区切りたい時に使われます。これはカンマの一番基本的な使われかたです。日本語の読点と同じような使われかたなので特に難しくはありませんが、1つ例文で見てみましょう。
(私は教師になりたい。なぜなら私は子どもが好きだからだ。)
【2】接続副詞の後につけるカンマ
カンマは接続副詞の後には必ずつけなくてはいけません。
これも例文で見てみましょう。
(私はスイーツが好きだ。しかしながら、オレンジは食べられない。)
ここでは “however” という逆説の接続副詞の後にカンマがついていますよね。
【3】引用符の前につけるカンマ
カンマは引用符(“”)の前につけます。
例文で確認してみましょう。
(「私が大統領だ」と彼は言った。)
ただ、カンマをつけるのは直説法の時だけで、間接話法の時はつけません。
ちなみに間接話法とは、その人が言った言葉を話し手が自分の言葉に置き換えて話す方法のことです。
例えば、以下のような場合にはカンマをつけません。
(私が大統領だと彼は言った。)
【4】3つ以上の言葉を並べる時に使うカンマ
3つ以上の言葉を並べる時には、「A, B and(,) C」、「A, B, C and(,) D」のようにします。 “and” の後のカンマはつけなくてもいいですが、つけたほうが覚えやすいかもしれません。
以下の例文で確認してみましょう。
(私はオレンジとリンゴとバナナとイチゴが好きです。)
また、2つの言葉を並べる時にはカンマをつけず、「A and B」のように表記するので注意が必要です。
【5】導入節が来る時に使うカンマ
導入節が来る時にはカンマを使います。
そして、導入節の種類としては仮定法の主文や分詞構文の主文などがあげられます。
例えば、仮定法の時には以下のように使われます。
(もし傘を持っていたら、雨にぬれずにすんだのに。)
また、分詞構文の時には以下のように使われます。
(その都市についた後、私たちは博物館に行った。)
【6】命令文の後につけて「そうすれば/さもないと」と続ける時のカンマ
命令文やそれに類する言葉の後に、「そうすれば」もしくは「さもないと」という意味を表す言葉を続ける時には、カンマをつける必要があります。
ちなみに、「そうすれば」と言いたい時には “and” をつけ、「さもないと」と言いたい時には “or” をつけます。
まず、命令文の後に続ける場合の例文を見てみましょう。
(本当のことを教えてくれたら、許してあげます)
ここで、 “and” はきちんと「そうすれば」という意味を表していますよね。
次に、命令文に類する言葉の後に続ける場合も見てみましょう。
(それを私に渡せ、さもないと私は決して君を許さないぞ。)
この場合、文の前半の部分は命令文の形ではありませんが、人に命令していますよね。
【7】名詞を説明する時のカンマ
名詞が出てきて、後ろでそれについて説明する場合にはカンマをつける必要があります。
そして、説明するものとしては人の職業が多いでしょう。
例えば、以下の例文のように使われます。
(彼の名前はジョンで、彼はケンブリッジ大学の科学者だ。)
まとめ
以上、この記事では、「コロン」と「セミコロン」と「カンマ」の違いについて解説しました。
- コロン:大ざっぱに言うとイコールの意味
- セミコロン:ピリオドとカンマの中間的存在
- カンマ:日本語における読点(、)で、区切りや付け足しのために使われる
「コロン」と「セミコロン」と「カンマ」はこのように、文の中で大切な役割を果たしています。きちんと使い方を覚えて、英語を上達させていきたいですよね。