「4ビート」と「8ビート」と「16ビート」の違いとは?聞き分けられる?

違いのギモン

毎日の通勤や通学で音楽を聞く人も多いですよね。いつも大好きな音楽に囲まれて生活するのはとても楽しいものです。気分に合わせて音楽を選ぶこともできます。特に、音楽を選ぶときにテンポやビートを重視して選ぶことは、テンションにも影響を与えます。

そのテンポやビートには、「4ビート」「8ビート」「16ビート」といったものがあります。これらはどういった違いがあるのでしょうか。この記事では、「4ビート」「8ビート」「16ビート」の違いについて解説します。

結論:リズムの細かさの違い

「4ビート」は、最も基本的で簡単な1小節を4つで数えるビートです。「8ビート」は、ロックでよく使われる、1小節を8つで数えるビートで、「16ビート」は最もきめ細かい表現力を持ち、1小節を16で数えるビートです。

「4ビート」をもっと詳しく

このリズムを理解するにはまず、小節を理解しなければなりません。音楽の曲は、この小節がいくつも合わさって成り立っています。

その小節の中に音符や単音などがあるのです。小節を1つのダンボール箱に例えると分かりやすいです。曲が多くのダンボール箱の集合体だとしたら、音符や単音をひとまとめにして収納する入れ物が小節なのです。

さて、ではビートと小節はどういう関係があるのでしょうか。「4ビート」は1小節の中に4分音符が4つある状態のことです。例えば「タッタッタッタッ」というリズムがあるとします。この「タッ」という音が1小節に4つ集まったものが「4ビート」です。

 

つまり、この小節がたくさん集まれば曲になるということです。この「4ビート」はメトロノームをイメージすると理解しやくなります。鳴っている音を4つずつ数えれば、「4ビート」になります。

このように「4ビート」はとても簡単なリズムで、最も基本的です。この特徴を活かした楽曲には童謡があります。多くの人が、小さい頃に音楽の授業で童謡を習うのは、簡単で基本的な「4ビート」であるからなのですね。

特に「ちょうちょ」などの楽曲を口に出して考えてみるとほぼ4分音符ですので、手で「タンタンタンタン」と4つ打ちのリズムを取りながら歌ってみると理解しやすいです。

「8ビート」をもっと詳しく

では、「8ビート」は何でしょうか。「4ビート」が「タンタンタンタン」と4つ打ちのリズムであったのに対して、その倍の手数で1小節を数えるのが「8ビート」です。つまり「タタタタタタタタ」と8つの音を刻むのが「8ビート」です。

この「8ビート」はポピュラー音楽で最も多用されているリズムなので、この説明を聞いて納得された方も多いかもしれません。

「8ビート」は主にロックミュージックで普及したビートです。「8ビート」を手で叩いてカウントしようとすると無理がありますよね。そこでドラムが重要になってきます。

 

ドラムの最も基本的な叩き方も、この「8ビート」に合わせた叩き方で、ドラ厶が欠かせないロックミュージックでは定番のビートです。ロックミュージックが現在のようにドラムを使い始めたのも1950年頃といわれているので、8ビートが浸透し始めたのもこの頃です。

また、「8ビート」を刻むときに、ただ8つカウントして小節を数えれば良いというわけではありません。数えるなかでアクセントをつけると、ビートらしくなるのです。「8ビート」では、3拍目と6拍目にアクセントがつきます。

つまり、「タタダタタタダタ」と、3番目と6番目の音が強調されるのです。この強調を行うことによって、リズムにメリハリが生まれ、より一層感情に訴えかけるような音楽になります。

「16ビート」をもっと詳しく

「16ビート」についての理解を深めるために、音楽の技能に関して解説します。「4ビート」が最も簡単であり、基本的で、「8ビート」がノリの良いビートであることを理解して頂きました。

この「4ビート」や「8ビート」が普及すると、もちろん、楽曲もこれらのビートを多用したものが普通になります。そうすると、音楽を聞く側としては退屈に感じます。一方の演奏者は周りの演奏者に差をつけるために新しい音楽に挑戦しようと試みます。

そこで日本では1980年代後半頃から新しい時代の音楽として、「16ビート」が普及してきたのです。

「8ビート」が「4ビート」の2倍の音の数になったことと同様に、「16ビート」は「8ビート」の2倍の音の数です。つまり1小節の中に16の音が刻まれているのです。そのため、「4ビート」や「8ビート」に比べて非常に細かい音まで表現することができます。

 

しかし音の数が多いということは、その一方で早いテンポになると演奏がとても大変という側面を持っています。

もちろん、演奏が難しければ誰も簡単に真似ができず、オリジナリティもとても高いので、演奏者や作曲者は意図的にテンポの早い「16ビート」の楽曲を制作している面もあります。特にメタルなどの激しい音楽でも「16ビート」を多用する楽曲が近年多くなってきました。

一般的に、「16ビート」ではハイハットというシンバルを16回数えます。しかし、メタルでは、バスドラムと呼ばれる、足でキックする太鼓部分で16を数えます。

両足を使って交互に16を数えるのです。ハイハットで16を数えるよりも、バスドラムで16を数えたほうが低音で厚みのある音になるので激しい音楽に向いています。

 

さらに日本の音楽シーンで、「16ビート」は最近有名になったのに対して、アメリカでは「16ビート」は早くから浸透していました。その理由はファンクという音楽にあります。

ファンクはジャズに似た音楽で、トランペットや力強いボーカルが特徴の音楽ですが、この「16ビート」を使っています。この「16ビート」で踊りやすいようなビートを奏でて、音楽の流れている空間を盛り上げてくれます。

こうした文化もあるので、「16ビート」はアメリカでは日本より早く根付いていました。このことも「16ビート」ならではの特徴です。

まとめ

以上、この記事では、「4ビート」「8ビート」「16ビート」の違いについて解説しました。

  • 4ビート:最も基本的で簡単な1小節を4つで数えるビート
  • 8ビート:ロックでよく使われる、1小節を8つで数えるビート
  • 16ビート:最もきめ細かい表現力を持ち、1小節を16で数えるビート
音楽に馴染みのない方にとって、この違いを理解することはとても大変です。もし違いがはっきりと分からない場合には、実際に手を叩いて身体を使ってみると理解しやすいです。この記事がきっかけで、みなさんの音楽ライフがより良いものになるといいですね。