自分の身を守ろう !「傷害」と「暴行」の違い

違いのギモン

日々ニュースで、「傷害」や「暴行」という言葉を耳にしますが、一体どのような違いがあるのでしょうか。今回は「傷害」と「暴行」の違いについて、「傷害罪」と「暴行罪」の違いも合わせながら詳しく解説していきます。

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結論:けがや損壊があるかどうか

「傷害」は、人をケガさせたり、物品を損壊させたりすることです。

「暴行」は、人や動物に暴力を加えること、また、粗暴な行為そのもののことをいいます。

「傷害」をもっと詳しく

「傷害」とは、人の身体や動物、物などを傷つけたり、壊したりすることです。

相手に傷害を負わせると「傷害罪」が成立します。故意ではなく過失により相手に傷害を負わせてしまった場合でも、「過失傷害罪」という罪に問われます。また、動物に傷害を負わせた場合や物品を壊してしまった場合「器物損壊罪」が成立します。

それから、罪によって「傷害」の意義が変わります。「傷害罪」における「傷害」は、人の生理的機能に障害を与えたり、健康状態を不良にしたりすることです。

「器物損壊罪」における「傷害」は、動物の性能や価値を下げる行為をいいます。具体的には、動物を傷つけたり、病気にさせたりすることです。器物損壊罪において、物の性能や価値を下げる行為は「傷害」ではなく「損壊」にあたります。

「傷害罪」について

「傷害罪」は、「暴行」を加えた結果、けがが生じたときに成立します。また、相手に対して力を行使していなくてもそれ以外の方法で生理機能の傷害を生じさせれば傷害罪は成立します。

傷害罪は、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定められています。

傷害として、裁判で認められた例として、嘔吐、失神、むちうち症、病気の感染、意識障害を伴う急性薬物中毒の症状などがあります。このように、私たちが思い浮かべるような、腫れたり血が出たりするケガだけが傷害となるわけではないのです。

また、力を行使せずに相手に障害を負わせた例としては、隣家に向けてラジオやアラーム音を鳴らし続けて、被害者に精神的ストレスを生じさせ、慢性頭痛症や睡眠障害などを負わせたというものがあります。

それから、睡眠薬を摂取させて数時間にわたって意識障害などを伴う急性薬物中毒症状を生じさせた行為にも、傷害罪が成立するとされました。

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「暴行」をもっと詳しく

「暴行」とは、殴る、蹴るなどの暴力を相手に加えること、粗暴な行いのことをいいます。

身体への直接的な暴力だけが「暴行」となるわけではありません。「暴行罪」では、服を引っ張る、唾をかけるといった行為も「暴行」となります。また、病原菌、光、音、熱などの目に見えない力を相手に過度に使った場合も「暴行」となることがあります。

「暴行罪」について

「暴行罪」は、相手に暴行を加えたが、けがは生じなかった場合に成立します。

暴行の結果、傷害(けが)が生じたかどうかが「傷害罪」と「暴行罪」の分かれ目です。

暴行罪は、「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料(※)に処する」と定められています。

暴行罪は身体への直接的な接触がなくても成立します。例えば、室内で日本刀を振り回した行為が暴行罪として認められたことがありました。

明確な規定があるわけではないですが、暴行罪の成立には一般的に下記のような基準があります。

  • 怪我をする危険性があれば、身体への接触がなくとも成立する
  • 身体への直接の接触があれば、怪我の危険性がなくとも成立する

もちろん、身体への接触があったからといって必ず暴行罪になるわけではありません。その行為が一般的に社会の中で「常識範囲内」かどうかで判断されるでしょう。

  • 科料(※):「かりょう」「とがりょう」と読みます。罰金と似た軽い刑事罰のことです。

まとめ

以上、この記事では、「傷害」と「暴行」の違いについて解説しました。

  • 傷害:人をケガさせたり、物品を損壊させたりすること
  • 暴行:人や動物に暴力を加えること、また、粗暴な行為そのもの

違いはありますが、「傷害」も「暴行」も怖いです。自分が被害者にも加害者にもならないように気を付けたいですね。

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