「克己心(こっきしん)」とは?意味や使い方を例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「克己心(こっきしん)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「克己心」の意味をスッキリ理解!

克己心(こっきしん):欲望を抑え、自分自身に打ち勝つ心

「克己心」の意味を詳しく

「克己心」の意味は、欲望を抑え、自分自身に打ち勝つ心です。

ここで言う欲望とは、努力を妨げるものや気を散らせるものを指します。「克己心」は努力を妨げる欲望や衝動、邪念を自分でコントロールする心を指します。

欲望をコントロールした上で、強い意思を持って物事にあたり、自分自身に打ち勝つという意味があります。

「克己心」の使い方

  1. 彼は克己心が強いので、きっと成功するだろう。
  2. 彼女の遅刻癖が治らないのは克己心がないからだろう。
  3. 克己心を鍛えるには、日頃の努力が必要である。

「克己心」は上記の例文のように3パターンの使い分けがあります。

①のように強い信念を持つ人、向上心のある人を「克己心が強い」「克己心がある」と表現します。

②のように努力を継続できない人、欲望をコントロールできない人を「克己心が弱い」「克己心がない」と表現します。

③のように今後努力を続けようとすることを「克己心を鍛える」「克己心を養う」「克己心を育てる」「克己心を培う」などと表現します。

 

「克己心」は強弱で表すので、「克己心が高い」「克己心が低い」は一般的ではありません。

また、「克己心」の類義語である「自制心」の場合は、「自制心が働く」と言いますが、克己心が働く」は使わないので注意しましょう。

「克己心」の語源

「克己心」の漢字の意味はそれぞれ以下の通りです。

  • :打ち勝つ
  • :自分自身

したがって、「克己心」をそのまま言い換えると「自分自身に打ち勝つ心」です。

ここから欲望を抑え、自分自身に打ち勝つことという意味が推測できます。

「克」と「勝」の違いは、「克」は自分の内側に対して、「勝」は自分の外側に対して使う点です。

 

ちなみに「克己」という言葉は、中国の思想家である孔子が執筆した『論語 顔淵編』に語源があるとされています。

『論語 顔淵編』には、以下の一節があります。

「己に克ち礼に復りて仁を為す」
(仁とは己の欲望に打ち勝って礼に復することだ)

上記は、良好な人間関係を築くには、欲望を自制し、社会の秩序や礼儀に従って行動する必要があると孔子が弟子の顔淵に諭している場面です。

この「克己復礼」から「克己」という言葉が使われるようになりました。

「克己心」の類義語

「克己心」には以下のような類義語があります。

  • 自制心:感情や欲望を制御すること
  • 理性:感情や本能ではなく、道理に従って判断すること
  • 我慢:辛いことを受け止めて耐え忍ぶこと
  • 自己制御:自発的に自分の行動を制御すること
  • 精神力:何かを集中して成し遂げる意志

「自制心」は「克己心」とかなり意味が似ていますが、少し異なる点があります。「克己心」は力を尽くして何かを成し遂げ、自分に打ち勝つという意味合いが強いのに対して、「自制心」は自分の心の中にあるすべてをコントロールするというニュアンスになります。

「克己心」の対義語

「克己心」には以下のような対義語があります。

  • 放縦(ほうじゅう):思うがままに振る舞うこと
  • 放逸(ほういつ):勝手気ままに振る舞い、常識に外れていること

「放縦」「放逸」は「自制心」の対義語ともされています。

「克己心」の英語訳

「克己心」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • self-control
  • self-denying
  • stoic

以下が例文です。

例文
He has a self-denying spirit.
(彼は克己心がある)

まとめ

以上、この記事では「克己心」について解説しました。

読み方克己心(こっきしん)
意味欲望を抑え、自分自身に打ち勝つ心
語源孔子の『論語』にある「克己復礼」という言葉から
類義語自制心、理性、我慢など
対義語放縦、放逸など
英語訳self-control, self-denying, stoic

「克己心」はスポーツの場面や座右の銘としてよく用いられる言葉です。この機会に正しい意味と使い方をマスターしましょう。