今回ご紹介する言葉は「拘(こだわ)り」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
このページの目次
「拘(こだわ)り」の意味をスッキリ理解!
良い意味で使うこともありますが、元は悪い意味で使われることの多い言葉でした。
「拘(こだわ)り」の意味を詳しく
「拘(こだわ)り」には以下の三つの意味があります。
- ちょっとしたことを必要以上に気にすること
- 物事に妥協せず、とことん追求すること
- なんくせをつけること
本来は、①の「気にしなくてもいいようなことに気持ちがとらわれる」という否定的な意味合いで使われていました。
「気持ちがとらわれる」という意味から、「物事に妥協しない」という②の肯定的な意味でも使われるようになりました。
③は①や②の意味から派生してできた意味です。物事に執着するからこそ、気に入らない点を非難します。
もうひとつの読み方「拘(かかわ)り」の意味
「拘り」には「こだわり」の他にもうひとつ「かかわり」という読み方もあります。
「拘(かかわ)り」は、人が人や物事にこだわって関係を築くという意味です。
読み方は異なりますが、物事にこだわるという点では「こだわり」と共通しています。
「拘(こだわ)り」の使い方
- こちらのパスタはシェフこだわりの逸品です。
- 勝ちにこだわって仕事に臨む。
- ご多忙にもこだわらず、お越しいただきありがとうございます。
①の例文は、物事に対して強く思い入れがあることを表しています。
②の例文は「重視する」という意味での「拘り」の使い方です。
③の例文は予想外の結果が生じたことを表す「拘り」の使い方です。
「拘(こだわ)り」の由来
「拘(こだわ)り」は、用いられている漢字に注目すると、由来から意味を理解できます。
「拘り」の漢字の意味はそれぞれ以下の通りです。
- とらえる
- ひとつのことにとらわれること
以上の意味から「拘り」はちょっとしたことを必要以上に気にすることという意味になりました。
「拘(こだわ)り」の類義語
「拘(こだわ)り」には以下のような類義語があります。
- 固執(こしつ・こしゅう):意見・態度を強固にして簡単に変えないこと
- 執着(しゅうちゃく):ある物事に強く心をひかれること
- 拘泥(こうでい):気にしてとらわれること
- 頑固:他人の意見を聞こうとせず、かたくなに自分の考えや態度を守ること
- 分からずや屋:頑固で柔軟性のない人
いずれも「物事にこだわる」という意味を表す熟語です。
「拘(こだわ)り」の対義語
「拘(こだわ)り」には以下のような対義語があります。
- 無頓着(むとんちゃく):物事にこだわらないこと
- 闊達(かったつ):心が大きく、小さな物事にこだわらないこと
- 逸宕(いっとう):小さいことにこだわらないで、さっぱりしているさま
いずれも「物事にこだわらない」という意味を表す熟語です。
「拘(こだわ)り」の英語訳
「拘(こだわ)り」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- particular about
(~にこだわる) - picky about
(~の好みにうるさい)
“particular about” の意味
“particular” はさまざまな意味をもつ形容詞です。「特定の」「独自の」といった意味から、「細かいことにこだわる」「好みがうるさい」という意味まであります。
“about” の後に、こだわる対象の語を入れると「〜にこだわる」という意味の英文として成立します。
(私は服にこだわる)
“picky about” の意味
“picky” は “pick(選ぶ)” という単語からできた形容詞です。「細かく物を選ぶ」というイメージで、「好みがうるさい」という意味があります。
口やかましい人やちょっとしたことに難癖をつける人を指すこともあります。
“particular about” と同様に “about” と一緒に用いることで「〜の好みにうるさい」という英語表現ができます。
(彼は食べ物の好みにうるさい)
まとめ
以上、この記事では「拘(こだわ)り」について解説しました。
読み方 | 拘(こだわ)り |
---|---|
意味 | ちょっとしたことを必要以上に気にすること |
由来 | 拘(ひとつのことにとらわれること) |
類義語 | 固執(こしつ・こしゅう)、執着(しゅうちゃく)、拘泥(こうでい)、頑固、分からず屋など |
対義語 | 無頓着(むとんちゃく)、闊達(かったつ)、逸宕(いっとう)など |
英語訳 | partiqular about(~にこだわる) picky about(~の好みにうるさい) |
良い意味でも悪い意味でも使われる「拘り」は、場合によっては不快な印象を与えてしまうことも考えられます。注意して使用する必要があります。