実は別モノ!「風邪」と「花粉症」の違い

違いのギモン

「風邪」と「花粉症」。どちらもなってしまうと鼻水や鼻づまり、くしゃみなど似たような症状に苦しみます。しかし、実は両者のメカニズムは全く異なります。

これから春が近づき、花粉症の季節がやってきます。その前に改めて「風邪」と「花粉症」について理解を深めてみませんか。今回は両者の違いを解説します。

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結論:「花粉症」はアレルギー

「風邪」は鼻から喉にかけての気道にウイルスや細菌が感染することによる病気です。一方「花粉症」は花粉に対するアレルギー反応による体調不調です。

風邪


風邪は正式名称を「かぜ症候群」といいます。特別な病気ではなく、あらゆる年齢層の健常者が発症する一般的な体調不良です。

原因となるウイルスはライノウイルスやコロナウイルスなどが代表的ですが、多くの種類があります。また、ウイルス以外にも、一般細菌や肺炎マイコプラズマなどの特殊な細菌が原因で発症するものもあります。

ウイルスや細菌に感染する方法としては、飛沫感染、空気感染、接触感染の3種類があります。飛沫感染とは、咳やくしゃみにより空気中に飛散した病原体による感染です。

空気感染は、飛散した病原体が水分が蒸発した後に空気中に漂い、それを吸い込むことによる感染です。空気感染は換気の悪い狭い場所では感染リスクが高まります。

 

3種類の中で中心的な感染方法は接触感染です。これは接触により病原体が移動し、体に入ることによる感染です。例えばライノウイルスによる風邪をひいている人が、自分の鼻を触った手でつり革を触ります。そのつり革を別の誰かが触り、その手で目や鼻をこすると、感染の恐れがあります。

風邪による発熱は37度代であることが多く、のどの痛みや鼻水などの症状からゆるやかに発症していきます。対症療法が中心となり、病院に出向かずに市販の風邪薬で症状を和らげることも多いです。抗生物質は風邪の原因となる細菌に対しては有効ですが、ウイルスに対しては効き目がありません。

「おたふくかぜ」などはワクチンがありますが、ライノウイルスなど一般的な風邪に対するワクチンは現在ではなく、研究中です。また、風邪による鼻水は黄色い色をしているときがありますが、それは死んだ白血球や免疫細胞、病原体などが鼻水に混ざっているためです。

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花粉症


花粉症は、花粉に対して体の免疫が過剰に反応してしまうことによる体調不良です。食物やダニ、ハウスダストのアレルギーとメカニズムは同様です。花粉症は風邪とは異なり、ウイルスや細菌による感染症ではありません。

原因となる植物としてはスギ、ヒノキ、シラカンバ、ブタクサ、イネ、カナムグラ、ヨモギなどがあります。花粉症は春限定の病気、というイメージがありますが、これらの植物の花粉が飛散する時期はバラバラです。そのため、春以外にも花粉症になる可能性はあります。

平成29年3月に花粉症検診の結果から推計したデータによると、スギ花粉症の推定有病率は全体の 48.8% でした。この中には日常生活に支障がない程度の軽度の花粉症から、重度の花粉症まで含まれています。

 

花粉症の症状としては、目のかゆみ、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、肌のかゆみ、頭痛、微熱などが挙げられます。

目のかゆみや鼻水、鼻づまり、くしゃみは、ヒスタミンなどの原因物質が神経や血管に刺激を与えることによって発生します。花粉症の鼻水は、白血球や病原体などを含んでいないため、無色透明でさらりとしたものになります。

肌のかゆみは「花粉症皮膚炎」と呼ばれます。肌を露出している顔や首などに発生しやすいです。頭痛は、鼻づまりによる脳の酸欠状態などによるものです。

 

花粉症のメカニズム

  1. 「抗原提示細胞こうげんていじさいぼう」が入って来た花粉を異物として認識
  2. 花粉の情報が「リンパ球」に伝わり、「IgE抗体」(花粉を捉えるための抗体)がつくられる
  3. 「IgE抗体」は肥満細胞と結合
  4. 「IgE抗体」が花粉を認識
  5. 肥満細胞の中からアレルギー症状の原因物質(ヒスタミンなど)が放出
  6. 花粉をできるだけ外に出すために、ヒスタミンなどの働きによりが、花粉症の症状発生

花粉症の人は、このヒスタミンの作用を抑制する「抗ヒスタミン剤」を服用することで、症状を抑えることができます。

まとめ

風邪は体の免疫システムにより治ります。一方花粉症は体の免疫システムの過剰反応により発症します。両者のメカニズムは大きく異なります。

以上、この記事では、「風邪」と「花粉症」の違いについて解説しました。

  • 風邪:ウイルスや細菌による病気
  • 花粉症:花粉アレルギー

花粉症に対しては、特効薬や抗生物質のような根本的解決は難しく、予防と対症療法が中心となります。ゴーグルやマスクを装着して、なんとか花粉の飛散が多い時期を乗り切りましょう。

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