英語を学習する上で避けては通れない用語の中の1つに「冠詞」というものがあります。
みなさんは、「冠詞」という概念を覚えていますでしょうか。
「冠詞」は英語を理解する上で、大変重要な概念です。
覚えている人も、覚えていない人も、この記事で「冠詞」、つまり、a/an と the の違いについてしっかりと復習していきましょう。
結論:具体的な何かを指しているのが “the” 、そうでないのが “a/an”
そうではなく、数えられるものが1つあることを示す働きを持つのが “a/an” 。
まず、「冠詞」とは
「冠詞」とは英語の「名詞」の前につく品詞の1つです。「名詞」の前につけることで、「冠詞」はその「名詞」の性質を表すことができます。
つまり、どの 「冠詞」を使うかによって、そのニュアンスを変えることができます。それがa/anとtheを使い分ける理由ということです。
また、「冠詞」は数えられる名詞の直前にしかつけることができません。数えられる名詞は a/an、theをつけたり、複数形にすることができますが、数えることができない名詞にそれらのことはできません。
“a/an” をもっと詳しく
a/an は冠詞の中でも特別に「不定冠詞」と呼ばれています。この「不定冠詞」をつけることで、つけた名詞に「数えられる不特定の1つのもの」というニュアンスを付与することができます。
「不定冠詞」の「不定」というのは読んで字のごとく、「定まっていない」という意味です。
では、「定まっていない」とはどういう意味か。例文を見てみましょう。
(私は犬が好きです。)
この時の a dog が指すのは、ある特定の1匹の犬ではありません。世界には数多の種類の犬が存在しますが、その中から1つに特定しないということです。
つまり、この a dog には「(ある特定の1匹の犬が好きというわけではなく、全般としての)1匹の犬」というニュアンスが含まれているということになります。
他の例文も見てみましょう。
(この本屋は1日に12時間開いています。)
この a day も「ある特定の1日」という意味ではなく、「不特定の1日」という意味になるというわけです。
また、a と an の使い分けは、名詞の発音が母音(日本語の「あいうえお」にあたるもの)で始まるかどうかによって決まります。
名詞の発音が母音で始まらない場合はaを使い、母音で始まる場合は an を使うというルールが英語にはあります。
apple は「アッポゥ」と発音します。「ア」は上記してあるように母音にあたるので apple には an をつけて an apple と記すことになります。
hour はスペルこそ h で始まりますが発音は「アワー」なので、上記のルールに従い an hour と記します。
逆に university はスペルこそ u で始まりますが発音が「ユニヴァーシティ」、つまり、始まりが母音ではないので a universityとなります。
また、発音の際は an apple は「アン アッポゥ」と読むのではなく、繋げて「アナッポゥ」と発音します。
a や an は「どれかは言えないけど、数えられる1つのもの」ということを伝えることができるというわけです。
“the” をもっと詳しく
theは冠詞の中でも特別に「定冠詞」と呼ばれています。この「定冠詞」をつけることでその名詞に「どれのことなのかわかる特定のもの」というニュアンスを付与することができます。
さきほど説明した、不定冠詞(a/an)が「不特定のもの」というニュアンスを付け加えるものだったのに対し、定冠詞(the)はその真逆です。定冠詞(the)はなにを指しているのかを明確に特定します。
また、例を出しましょう。
(私はその犬が好きです。)
a dog が「ある特定の犬ではなく全般としての1匹の犬」という意味であったのに対し、the dog は「その犬」という意味になり、完全に特定された1匹の犬を指します。
つまり、the は「他のものじゃなくて、完全にそれ」ということを伝えることができるわけです。
また、the は後ろにくる名詞によって発音が変化します。後ろにくる名詞の発音が母音で始まる場合は「ジ」と発音し、そうでない場合は「ザ」と発音します。
ideaは「アイディア」と発音し、その始まりが母音なので、the idea の読み方は「ジ・アイディア」となります。
movieは「ムーヴィー」と発音し、その始まりは母音ではないので、the movie の読み方は「ザ・ムーヴィー」となるわけです。
まとめ
以上、この記事では a/an と the の違いについて解説しました。
- a/an:「不定冠詞」と呼ばれ、不特定の1つであることを示す
- the:「定冠詞」と呼ばれ、特定の1つであることを示す
この2つの冠詞を使い分けることで英語では、ニュアンスを差を表しているということです。
しっかりと使い分けて、正確に相手の意図を読み取り、正確に自分の意図を伝えられるようになりましょう。